エピソード・シックス

エピソード・シックスは、1960年代にイングランドで活動したフォークロック、ポップ・ロックバンドです。後にディープ・パープルで世界的な成功を収めるイアン・ギランとロジャー・グローヴァーが初期に在籍していたことで知られています。

バンドの結成と初期

1964年7月、ミドルセックス州ハッチ・エンドで、カーター＝ディモック兄妹（グレアムとシーラ）、アンディ・ロスらを中心に結成されました。ハーヴェイ・シールド（ドラムス、ボーカル）と、彼の友人であるロジャー・グローヴァー（ベース）が加わり、バンドの基礎が築かれました。

イアン・ギランの加入と活動

1965年、パイ・レコードとの契約を前にアンディ・ロスが脱退。ボーカルを重視していたバンドは後任を探し、グローヴァーの紹介でイアン・ギランが加入します。ギランはセミプロバンド「ザ・ジャヴェリンズ」のボーカリストで、その実力はエピソード・シックスに新たな風を吹き込みました。

1966年1月、ホリーズのカバー「Put Yourself In My Place」でデビュー。テレビ番組『レディ・ステディ・ゴー』などに出演し、知名度を上げようと試みます。MGMレコード、チャプター1とレコード会社を移籍しながらシングルをリリースしますが、ヒットには恵まれませんでした。

ディープ・パープルへの移行とその後

1969年7月、ギランとグローヴァーが脱退し、ディープ・パープルに加入。エピソード・シックスはメンバーチェンジを繰り返しながら、1974年まで活動を続けました。

結成50周年記念再結成

2015年12月6日、結成50周年を記念してロンドンで一夜限りの再結成公演が行われました。シーラ・カーター＝ディモック、トニー・ランダー、ロジャー・グローヴァー、ハーヴェイ・シールド、イアン・ギラン、ジョン・ケリソンが参加し、往年のファンを魅了しました。

メンバー

シーラ・カーター＝ディモック (Sheila Carter-Dimmock) - ボーカル、キーボード (1964年-1974年)
グラハム・カーター＝ディモック (Graham Carter-Dimmock) - ボーカル、ギター (1964年-1969年)
アンディ・ロス (Andy Ross) - ボーカル (1964年-1965年)
トニー・ランダー (Tony Lander) - ギター、ボーカル (1964年-1974年)
ロジャー・グローヴァー (Roger Glover) - ベース、ボーカル (1964年-1969年)
ハーヴェイ・シールド (Harvey Shield) - ドラムス、ボーカル (1964年-1967年)
イアン・ギラン (Ian Gillan) - ボーカル (1965年-1969年)
ジョン・ケリソン (John Kerrison) - ドラムス (1967年-1968年)
ミック・アンダーウッド (Mick Underwood) - ドラムス (1968年-1972年)
ジョン・ガスタフソン (John Gustafson) - ベース、ボーカル (1969年-1972年)
トニー・デンジャーフィールド (Tony Dangerfield) - ベース (1972年-1974年)
アラン・コールター (Alan Coulter) - ドラムス (1972年-1974年)
デイヴ・ローソン (Dave Lawson) - キーボード (1972年-1974年)

ディスコグラフィ

シングル

"Put Yourself In My Place / That's All I Want" (1966年1月)
"I Hear Trumpet's Blow / True Love Is Funny That Way" (1966年4月)
"Here, There & Everywhere / Mighty Morris Ten" (1966年8月)
"I Will Warm Your Heart/ Incense" (1966年10月) ※シーラ・カーター&エピソード・シックス名義
"Love, Hate, Revenge / Baby Baby Baby" (1967年1月)
"Morning Dew / Sunshine Girl" (1967年6月)
"I Won’t Hurt You / U.F.O." (1967年9月) ※ネオ・マヤ名義
"I Can See Through You / When I Fall In Love" (1967年10月)
"Little One / Wide Smiles" (1968年2月) ※ジ・エピソード名義
"Lucky Sunday / Mr. Universe" (1968年10月)
"Mozart Vs The Rest / Jak D'Or" (1969年2月)

アルバム

※全てコンピレーション・アルバムで、現役時代にはアルバム制作はなし。

Put Yourself in My Place (1987年)
The Complete Episode Six: The Roots of Deep Purple (1991年)
『エピソード・シックス登場!!』 - Episode Six (1991年)
The Radio 1 Club Sessions, Live 68/69 (1997年)
Cornflakes and Crazyfoam (2002年)
Love, Hate, Revenge (2005年)

エピソード・シックスは、その短い活動期間にもかかわらず、イアン・ギランとロジャー・グローヴァーという後の音楽シーンを牽引する才能を輩出した重要なバンドとして、その名が刻まれています。

もう一度検索