エリック・レミング

エリック・レミング

エリック・ヴァルデマー・レミング（Eric Valdemar Lemming、1880年2月22日 - 1930年6月5日）は、スウェーデン出身の傑出した陸上競技選手です。特にやり投で輝かしい成績を残し、スポーツの歴史にその名を刻みました。彼は1900年のパリオリンピックを皮切りに、セントルイス大会を除く3度のオリンピックに出場し、やり投（自由形を含む）で計3個の金メダルを獲得しています。また、一つの種目に留まらず、多岐にわたる競技に挑戦したことでも知られています。

輝かしい経歴

レミングは早くも1899年に、やり投で当時の世界新記録となる49メートル31センチを樹立し、その才能を示しました。翌年の1900年に初めて参加したパリオリンピックでは、残念ながらやり投が正式種目として採用されていませんでした。しかし、彼は果敢にも6種目に出場。走高跳、棒高跳、ハンマー投の3種目で4位入賞を果たしたほか、円盤投で8位、走幅跳で12位の成績を残し、さらに三段跳にもエントリーするなど、驚異的なオールラウンダーぶりを発揮しました。

1904年のセントルイスオリンピックは欠場しましたが、その中間年にあたる1906年にアテネで開催された非公式のオリンピック中間大会に出場しました。この大会では、やり投自由形で金メダルを獲得。さらに、砲丸投、五種競技、そしてチーム競技である綱引きでも銅メダルを獲得するなど、複数の種目でメダルを手にする活躍を見せました。また、円盤投と石投げでは共に4位という結果を残しています。

1908年のロンドンオリンピックで、レミングは再びその真価を発揮します。アテネ中間大会に続き、やり投自由形で見事金メダルを獲得。加えて、通常のやり投でも金メダルを手中に収め、この大会でやり投の2種目を制覇する快挙を成し遂げました。やり投以外では、ハンマー投で8位に入賞し、円盤投やギリシャ式円盤投にも挑戦しています。

そして1912年、レミングは母国スウェーデンで開催されたストックホルムオリンピックに、自身にとって最後の五輪として出場しました。前回大会で金メダルを獲得していた得意のやり投では、自身の記録を大幅に更新する60メートルのスローを成功させ、見事オリンピック2連覇を達成しました。この大会では、やり投（両手投げ）で4位、円盤投（両手投げ）で11位の成績も残しています。

オリンピック後も彼の活躍は続き、1912年9月にはやり投の世界記録をさらに伸ばし、62メートル32センチという記録を樹立しました。

エリック・レミングは、そのキャリアを通じてやり投で頂点を極める一方で、様々な陸上競技や他のスポーツにも果敢に挑み、多才なアスリートとして陸上競技の初期において大きな足跡を残しました。彼のオリンピックでの成功、特にやり投における圧倒的な支配力は、今なお語り継がれています。

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