エルグランセニョール

エルグランセニョール (El Gran Senor)

エルグランセニョールはアイルランドから生まれた競走馬で、数々の栄誉に輝いた名馬です。彼は1983年にヨーロッパ最優秀2歳馬に選ばれ、翌1984年にはヨーロッパ年度代表馬としての名誉も手にしました。この年、最優秀3歳馬と最優秀マイラーにも選出されるなど、その実力を証明しました。

血統と出自

エルグランセニョールは、素晴らしい血統を誇る馬です。彼の全兄、トライマイベストはデュハーストステークスを優勝し、その影響でエルグランセニョールも競走界で注目を集めました。また、彼の種牡馬としての証明も、高名なブリーダーズカップ・マイル勝ち馬ラストタイクーンを輩出したことに現れています。日本でも、彼の姪にあたるフサイチパンドラが2006年のエリザベス女王杯で勝利を収めました。

競走人生

エルグランセニョールはデビュー時からその才能を発揮しました。デビュー戦を勝利で飾り、続けてレイルウェイステークス（G3）、ナショナルステークス（当時G2）を圧倒的な成績で制しました。さらに、英2歳チャンピオン決定戦であるデュハーストステークスでも見事に勝利し、無敗でG1初制覇を達成しました。この年は彼の名声を不動のものとし、欧州最優秀2歳馬に選ばれました。

3歳時には、グラッドネスステークスで後に多くのタイトルを獲得するサドラーズウェルズを下して勝利。その後、英国に渡り、イギリス2000ギニーに挑戦しました。この年は多くの名馬たちが参戦しており、レースは非常にハイレベルでしたが、エルグランセニョールはこれを見事に制しました。

続くダービーステークスでは票が集中し1番人気でしたが、惜しくもセクレトに敗れ2着に終わりました。そのため、陣営はアイリッシュダービー出走を決定。このレースでは、先に戦ったレインボウクエストを破り、優勝を収めました。しかし、以降のレースにむけて計画されていたキングジョージ6世＆クイーンエリザベスダイヤモンドステークスや凱旋門賞の影響で脚部不安が発症し、早期引退を余儀なくされました。彼の競走人生は短かったものの、その成績は生涯連対率100%という記録に裏打ちされていました。

引退後の影響

引退後、エルグランセニョールは種牡馬としてのキャリアをスタートしましたが、初年度からなかなか成果が出ませんでした。それでもベルメッツやロドリゴデトリアーノといった著名な競走馬を輩出しました。彼の産駒は良い結果を残したものの、受精率は年々低下し続けました。最終的に2000年の夏に種牡馬業を引退することとなりました。

不格好ながらも顕著な成果を示したのは、ブルードメアサイアーとしての方でした。特に産駒のTouusaudは優れた繁殖成績を示し、他にも様々な優秀な競走馬を輩出しました。エルグランセニョールは、母系にその血を受け継がせる重要な役割を果たしたのです。

競走成績

• - 1983年 (4戦4勝): デュハーストステークス、ナショナルステークス、レイルウェイステークス
• - 1984年 (4戦3勝): イギリス2000ギニー、アイリッシュダービー

代表産駒

• - ベルメッツ (キングジョージ6世＆クイーンエリザベスダイヤモンドステークス)
• - ロドリゴデトリアーノ (イギリス2000ギニー、アイリッシュ2000ギニーなど)
• - Lit de Justice (ブリーダーズカップ・スプリント)

エルグランセニョールは、競馬史に名を残す優れた馬であり、その影響は今なお続いています。

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