セクレト

セクレト(Secreto)は、アメリカ合衆国メリーランド州を故郷とし、アイルランドで競走生活を送ったサラブレッドです。1983年後半から1984年前半にかけて、イギリスとアイルランドの競走界でその名を轟かせました。

彼の競走馬としてのキャリアは短く、わずか4戦しかありませんでしたが、その輝きは群を抜いていました。最大の功績は、1984年のエプソムダービー制覇です。このダービーでは、強豪エルグランセニョールを短頭差で退け、同馬を破った唯一の馬となりました。この勝利は、セクレトの能力の高さを証明するものでした。さらに、テトラークステークス(G3)も制覇し、重賞2勝という華々しい戦績を残しています。ほかにアイリッシュ2000ギニーで3着に入るなど、その能力の片鱗を見せていました。

セクレトは、ノーザンダンサー産駒という血統背景も相まって、エプソムダービー制覇後、現役を引退し、種牡馬入りを果たします。

種牡馬としては、当初アメリカ・ケンタッキー州のカルメットファームで供用されましたが、予想ほどの成功は収められませんでした。その後、1993年に日本へ輸入され、青森県で繋養されました。日本での活躍も期待されました。セクレトの産駒であるフィールドボンバーは、朝日杯3歳ステークスで2着に入るなど、活躍の兆しを見せていました。セクレト自身は、1999年に亡くなりましたが、その年に生まれた産駒タムロチェリーが、阪神ジュベナイルフィリーズと小倉2歳ステークスを制覇するなど、最後の輝きを放ちました。

セクレトの血統には、名障害馬イスタブラクや、ケンタッキーダービー優勝馬マジェスティックプリンスといった名馬が名を連ねています。セクレト自身も、エプソムダービー優勝という偉業を達成しただけでなく、その血統背景から、多くの期待を集めました。

彼の調教師であったデイヴィッド・オブライエンは、ライバルであるエルグランセニョールの調教師ヴィンセント・オブライエンの息子でした。エプソムダービーでは、親子ワンツーという劇的な結果となりました。

セクレトの産駒は、Mystiko（2000ギニー、チャレンジステークス）、Secreto's Glory（シリーンステークス）、Fontvla（墨ナシオナル大賞典）、タムロチェリー（阪神ジュベナイルフィリーズ、小倉2歳ステークス）、Miss Secreto（レジーナエレナ賞（伊1000ギニー））など、多くの活躍馬を輩出しました。

セクレトは、短くも華々しい競走生活と、種牡馬としての貢献を通して、競馬史にその名を刻んだ、伝説的な競走馬と言えるでしょう。彼の血統は、現在も多くのサラブレッドに受け継がれ、その影響は絶大です。彼の活躍は、競馬ファンに長く記憶されるでしょう。

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