エルムの街

エルムの街：五所川原市のランドマーク

エルムの街は、青森県五所川原市にある大型ショッピングセンターです。1997年の開業以来、地域住民の生活に密着した存在として、なくてはならない存在となっています。かつてはイトーヨーカドー五所川原店が核店舗でしたが、2024年3月に惜しまれつつ撤退。同年8月には、OICグループの「ロピア五所川原店」が後継テナントとしてオープンし、新たな賑わいを見せています。

歴史：地元商店主たちの熱意

エルムの街の誕生は、1992年のイオン柏ショッピングセンター（現イオンモールつがる柏）のオープンに端を発します。大型店の進出による市外への顧客流出に危機感を抱いた地元百貨店「中三」の会長、中村伸太郎氏が中心となり、五所川原市内の商店主たちが集まって勉強会を開催。競争意識を超えて結束し、地域全体の活性化を目指す機運が高まりました。その結果、地元の商店主や五所川原市などが出資する第三セクター「五所川原街づくり株式会社」が設立され、イトーヨーカドーを核テナントとしてエルムの街が開業しました。

店名の由来は、五所川原市の市木であるハルニレの英語名「エルム」から取られています。

2018年にはリニューアルオープンを実施。2階にフードコートが新設され、「いきなり!ステーキ」など県内初出店のテナントも加わり、話題を集めました。2023年には、同じく県内初となるサイゼリヤもオープンしています。

イトーヨーカドー撤退とロピアの進出

2023年3月、イトーヨーカドーは経営合理化のため、国内店舗の2割超を削減し、首都圏に経営資源を集約する方針を発表。同年9月には、2024年3月31日をもって五所川原店を閉店することを発表しました。27年の長きにわたり地域に親しまれてきたイトーヨーカドーの撤退は、地域住民に大きな衝撃を与えました。

しかし、同年8月には、後継テナントとしてロピア五所川原店がオープン。ロピアは、東北地方では仙台ヨドバシ店に続く出店で、北東北では初の店舗となります。店内は商店街のように区分けされ、各部門が独立した店舗のような形態をとっており、新鮮な食材や惣菜が豊富に揃っています。

西北五地方の商業事情

イトーヨーカドーは、かつては地域への出店を積極的に進めていましたが、2000年代以降は店舗網を縮小する傾向にあります。五所川原市では、イトーヨーカドーの撤退後、中心市街地の商業施設が衰退し、エルムの街が郊外型のショッピングモールとして集客力を高めるという構図になっています。

フロア構成と主なテナント

エルムの街は、約140の専門店と8つの周辺関連施設で構成されています。

1階: [ロピア]、無印良品、くまざわ書店、スーパードラッグアサヒなど
2階: GU、WEGO、ムラサキスポーツ、ABCマート、ニトリ、namcoなど

かつては「津軽ラーメン街道」というフードテーマパークがありましたが、2018年のリニューアル以降は2階のフードコートに統合されています。また、青森県産の海産物や乾物などを扱う「ELM新鮮市場」も人気を集めています。

周辺関連テナント

エルムの街周辺には、五所川原警察署エルムの街交番、ヤマダ電機テックランド五所川原エルム店、ユニクロ五所川原エルムの街店、サンデー五所川原店、青森みちのく銀行エルムの街支店、スーパースポーツゼビオ エルム店、ザ・ダイソー五所川原エルム店、天然温泉・スーパー銭湯 エルムの湯、パークイン五所川原エルムシティなど、様々な商業施設が集積しています。

アクセス

鉄道：JR五能線五所川原駅から徒歩約20分、またはバス
バス：弘南バス、五所川原市循環バス
* 自動車：津軽自動車道五所川原ICから約3分

まとめ

エルムの街は、五所川原市の地域経済を支える重要な商業施設です。イトーヨーカドーの撤退という変化を乗り越え、ロピアの進出によって新たな魅力を加えています。今後も、地域住民のニーズに応えながら、五所川原市の活性化に貢献していくことが期待されます。

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