青森みちのく銀行

青森みちのく銀行：青森県を基盤とする地域金融機関

青森みちのく銀行は、青森県青森市に本店を構える地方銀行です。プロクレアホールディングス傘下で、青森県内では最大の金融機関として知られています。ここでは、その概要、沿革、サービス内容、店舗展開について詳しく解説します。

概要

青森みちのく銀行は、長年にわたり青森県内で競争を繰り広げてきた青森銀行とみちのく銀行が経営統合し、2022年4月にプロクレアホールディングスを設立したことで誕生しました。この経営統合は、寡占状態を例外的に容認する独占禁止法特例法の適用を受けた初の事例となりました。2025年1月1日には、両行が合併し、新たに「株式会社青森みちのく銀行」としてスタートを切りました。

合併により、連結純資産は6兆円を超え、東北地方では第3位の規模となり、県内シェアは8割を占めるまでに成長しました。東京商工リサーチ青森支店の調査によると、2024年8月時点でメインバンクとして利用されている社数は1万2502社に達し、七十七銀行に次いで東北地方で第2位となっています。

プロクレアホールディングスの成田晋社長は、合併後の組織融和を最重要課題の一つと位置づけ、合併前から両行の近隣営業店で協力体制を強化する「パートナー店制度」を構築するなど、融和を促進する取り組みを行ってきました。また、組織融和の契機とするため、2023年8月には青森ねぶた祭に両行の行員や家族約200人が参加し、60回以上の練習を重ねて本番に臨みました。

しかし、合併直後には、2025年1月5日以降、顧客が現金自動預け払い機（ATM）を使用して入金した際に、旧みちのく銀行の通帳が戻ってこないというトラブルが260件以上発生しました。

沿革

青森みちのく銀行の沿革は、源流となる銀行の設立から始まります。

1879年（明治12年）1月20日：青森銀行の母体である第五十九国立銀行が現在の弘前市に開業。
1894年（明治27年）8月：青森商業銀行（青森商銀）が発足。
1921年（大正10年）7月：みちのく銀行の母体である青森貯蓄銀行（青森貯銀）が発足。同年10月に開業。
1924年（大正13年）4月：弘前無尽が発足。
1943年（昭和18年）10月1日：第五十九・八戸・津軽・板柳・青森の五行が合併し、青森市に青森銀行が新設。
1976年（昭和51年）10月：青和銀行と弘前相互銀行の合併により、みちのく銀行が発足。
2021年（令和3年）5月：青森銀行とみちのく銀行が経営統合の基本合意を発表。
2022年（令和4年）4月1日：経営統合に伴い、共同持株会社プロクレアホールディングスを設立。
2024年（令和6年）12月：青森銀行とみちのく銀行の合併が認可。
2025年（令和7年）1月1日：青森銀行がみちのく銀行を吸収合併し、「株式会社青森みちのく銀行」に改称。

関係会社

青森みちのく銀行は、以下の連結子会社を抱えています。

あおぎんカードサービス株式会社
あおぎんリース株式会社
あおぎん信用保証株式会社
青銀甲田株式会社
みちのく信用保証株式会社
みちのくカード株式会社
みちのくリース株式会社
みちのく債権回収株式会社

営業政策

店舗展開

青森みちのく銀行は、地元青森県を中心に店舗網を構築しています。県内では、個人向けに特化した店舗として「ローンプラザ」「ローンデスク」を展開し、個人ローンの相談・申込み及び契約業務を行っています。

県外店舗

青森県外には、北海道（9店舗）、秋田県（4店舗）、岩手県（3店舗）、宮城県（2店舗）、東京都（2店舗）に店舗を構えています。

地方自治体等との取引

旧青森銀行は、青森県および県内大半の自治体の指定金融機関を受託していました。合併に伴い、新銀行は旧みちのく銀行が受託していた中泊町や西目屋村などの指定金融機関を引き継ぎました。

ATM管理業務の再編

旧青森銀行は、2009年5月6日に新システムへの移行が完了したことを契機に、ATMの管理運営業務の効率化と顧客対応力の向上を図るため、ATM網を再編しました。これに伴い、「ATM統括支店」と「イーネット支店」が設置され、店舗外ATMの管理運営業務を統括しています。ローソン銀行との提携に伴い、「ローソン支店」も設置されています。

みちのく銀行との合併後、みちのく銀行が設置していた店舗外ATMのほとんどが「ATM統括支店」の管轄に変更されています。

ATM利用提携

合併前の両行とも、ローソン銀行・セブン銀行・イオン銀行・ゆうちょ銀行との提携を行っていました。旧みちのく銀行はビューアルッテ・イーネットとの提携を行っていませんでしたが、合併を機に実質的にイーネットとの提携が再開されました。

合併後の取引可能時間については、旧青森銀行に合わせてイーネット・ローソン銀行・セブン銀行で原則24時間利用可能となり、手数料の見直しも行われました。

旧両行が個別に相互提携していた銀行等の提携は、合併後もそのまま引き継がれています。また、旧青森銀行のAAIネットやあすなろNET、青森県信用組合との相互入金提携も同様に引き継がれています。

通帳・キャッシュカード

合併に際し、旧みちのく銀行の通帳は新銀行では利用できなくなり、合併後に通帳繰越が必要となります。キャッシュカードについては、両行とも切替の必要はありません。

情報処理システム

預金や融資を管理する勘定系システムは、旧青森銀行側の「NTTデータ地銀共同センター」（NTTデータ）に統一されています。これに伴い、行員は2023年10月からシステム統合に向けた研修を本格的に開始しました。

インターネットバンキング

同行のインターネットバンキングは、旧青森銀行のシステムを継承して「つないでネ!っと」という愛称で運用され、振込みやペイジーなどの取引が可能です。

店舗コード

店舗コード（店番）は、旧青森銀行の店舗と旧みちのく銀行のうち支店コードが変更になった店舗については、100番台のうちの下3桁目百の位の部分がエリア毎に割り当てられています。001から099番は、旧みちのく銀行で支店コードの変更がされなかったほとんどの支店に加え、旧青森銀行のローン支店とATM管理の店舗などに割り当てられています。例外として、130番台の一部は旧みちのく銀行の店舗で支店コードの変更対象とならなかった拠点でも使われています。

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