エルロッド (フリゲート)

エルロッド (USS Elrod, FFG-55)

エルロッド (USS Elrod, FFG-55) は、アメリカ海軍のオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートの一隻で、特に重要な歴史的背景を持つ艦船です。この艦の名前は、ウェーク島の戦いで戦死し、名誉勲章を受章した海兵隊少佐ヘンリー・T・エルロッドに由来しています。彼の勇敢な行動は、多くの人々の記憶に残っています。

艦の沿革

エルロッドは1983年11月21日にメイン州バスのバス鉄工所で建造が始まり、1984年5月12日に進水、1985年5月18日にリチャード・W・ムーア艦長の指揮の下で就役しました。最初の母港はサウスカロライナ州チャールストンに設定されましたが、1995年3月にバージニア州ノーフォークへ移転しました。

この艦は、ペルシャ湾での5回、地中海での3回、アラビア海での1回の配備を経て、大西洋、地中海、黒海、カリブ海において数々の作戦に参加してきました。特にデザート・ストーム作戦では、航空及び地上攻撃支援を行う重要な役割を果たしました。

地域の安定への貢献

エルロッドはまた、湾岸協力会議国との共同訓練を行い、国際的な関係の強化にも寄与しました。NATOの北極海における対潜演習や、バルカン半島への武器禁輸を目的としたシャープ・ガード作戦にも参加し、国際社会において積極的な役割を担ってきました。

さらに、エンデュアリング・フリーダム作戦の一環として、地中海及び大西洋における海軍の恒常的な存在を示すために派遣されました。特に2004年には、テロとの戦いに関連したアクティブ・エンデバー作戦に従事しました。この年には、アテネオリンピックの開催を支えるため、ギリシャ近海での警戒任務も実施しました。

荒廃との戦い

2008年から2012年にかけて、エルロッドは複数の任務に従事しました。その中でも、特に2012年にはカリブ海での作戦を通じて大量の違法麻薬を押収し、薬物戦争に立ち向かう努力が評価されました。

最後の任務

エルロッドは2014年、最後の任務を果たすために再び地中海へ派遣されました。この時期には無人偵察機MQ-8 ファイアスカウトを使用した海上安全活動にも関与し、商船の護衛や難民救助の支援も行いました。特に、商船モーニング・グローリー号の護衛や強襲揚陸艦バターンによる難民救助作戦に重要な役割を果たしています。

同年12月4日、アメリカ上院はエルロッドを含む4隻のオリバー・ハザード・ペリー級艦船を台湾へ売却する法案を可決しました。エルロッドは2015年1月30日にバージニア州ノーフォーク海軍基地で退役し、現在は台湾海軍への移籍を待つ状態となっています。艦の長い歴史と貢献は、今後も多くの人々に語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索