エンジェルツイート

エンジェルツイート：輝ける競走生活と波瀾万丈な繁殖生活

エンジェルツイートは、日本の地方競馬で活躍した競走馬、そして繁殖牝馬です。2011年、東京2歳優駿牝馬と平和賞という2つの重賞レースを制覇し、その年のNARグランプリ2011において2歳最優秀牝馬の栄誉に輝きました。

馬名の由来は、馬の半分の所有権を持つ放送作家の村上卓史氏によるTwitterでの命名公募です。多くの候補の中から選ばれた「エンジェルツイート」は、その華やかさと、競走馬としての活躍を予感させる名前でした。ちなみに2位の名前は「ナウ」だったとされています。

デビュー戦は、歩様の乱れにより出走取消というアクシデントに見舞われますが、その後見事復活。フレッシュチャレンジで初勝利を飾ると、サッポロクラシックカップも制覇します。南関東への遠征となった平和賞では、当初の騎手変更を乗り越え、見事逃げ切り勝ち。重賞初制覇を果たすと同時に、鞍上の森泰斗騎手にとっても南関東での重賞初制覇、そして通算700勝という大きな節目を飾る勝利となりました。

続く東京2歳優駿牝馬でも、見事逃げ切り勝ち。重賞2勝目を挙げ、管理調教師の森下淳平氏にとっても管理馬初の重賞勝利となりました。この活躍は、GRANDAME-JAPAN2011への出走資格には届きませんでしたが、NARグランプリ2011の2歳最優秀牝馬に選出されるという栄誉に繋がります。兄であるオオエライジンもNARグランプリ3歳最優秀牡馬に選出され、兄妹での表彰という快挙も達成しました。

3歳シーズンは、桜花賞に挑みますが3着。東京プリンセス賞では2着と惜しくも勝利を逃し、その後休養に入ります。秋シーズンは思うような結果が出せず、4歳シーズンも低迷。角川秀樹厩舎に戻り、北海道で数々の重賞レースに挑戦しますが、勝ち星を挙げることはできず、2013年10月30日付で競走馬登録を抹消されました。

引退後は、伏木田牧場に買い戻され、繁殖牝馬としての生活が始まります。初年度の交配相手はシニスターミニスター。2015年3月12日には初仔であるメテオバローズを出産しますが、出産時に仔馬が肛門を破るという事故が発生。離乳後に手術が行われましたが、その後も2番仔出産時に同様の事故が発生。繁殖生活は困難を極め、2番仔のエンジェルパイロ出産後に繁殖生活から引退し、村上氏によって引き取られました。

なお、エンジェルツイートには、半兄に重賞を多数制したオオエライジンを持ちます。競走馬としての活躍、そして繁殖牝馬としての波瀾万丈な人生は、競馬ファンにとって長く記憶に残るものとなるでしょう。7代母にクリフジを持つ良血馬でありながら、伏木田牧場ではその血統は購入時まで認識されていなかったというエピソードも、興味深い点です。祖母は北海優駿の勝ち馬であるフシミラツキーです。エンジェルツイートの生涯は、競走馬としての輝かしい成功と、繁殖牝馬としての苦難、そして血統の神秘を改めて感じさせる物語となっています。

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