エール・ジブチ

エール・ジブチ航空：ジブチの空を翔ける歴史

エール・ジブチ航空は、アフリカ東部、ジブチ共和国の首都ジブチ市に本拠地を置く航空会社です。その歴史は長く、2度の設立と運航停止を経験しています。本稿では、初代と二代目のエール・ジブチ航空について、その歴史、機材、就航都市などを詳細に解説します。

初代エール・ジブチ航空：黎明期から衰退まで

1963年4月、エール・ジブチ航空は設立されました。翌1964年4月には、ブリストル・フレイター、デ・ハビランド DH.89 ドラゴン・ラピード、ビーチクラフト モデル18といったプロペラ機を用いて、定期便の運航を開始しました。当初は、ジブチ国内や周辺諸国を結ぶ路線網を展開しました。

1970年には、エールフランスの子会社であったエール・ソマリに経営権が移り、1972年には両社は合併しました。その後、1974年には、ダグラス DC-6を導入し、ナイロビへの貨物便やヨーロッパ方面へのチャーター便も開始するなど、事業を拡大しました。1977年のジブチ独立後には、同国のフラッグキャリアとして、ボーイング727やボーイング737といったジェット旅客機を導入し、ローマやパリといった欧州都市への路線を開設するなど、国際路線へも進出しました。

しかし、経営悪化により、2002年には全便の運航を停止。エール・ジブチ航空は一旦その歴史に幕を閉じ、ジブチにはフラッグキャリアが存在しない状態となりました。

二代目エール・ジブチ航空：復活と新たな挑戦

初代エール・ジブチ航空から13年後、2015年5月、伝説的ロックバンド、アイアン・メイデンのボーカリストとして知られるブルース・ディッキンソン氏の支援の下、エール・ジブチ航空は復活を遂げました。ディッキンソン氏が運営するカーディフ・アビエーションが技術・運営面で支援を行い、新たな一歩を踏み出しました。

2016年8月には、ボーイング737-400を用いて、ジブチとエチオピアのアディスアベバ、ディレダワを結ぶ路線で運航を再開しました。さらに同年には、BAe 146やボーイング767-200ERの導入を計画し、ロンドンへの路線開設を目指しました。2016年10月10日からは、ソマリアのベルベラ、ボサソ、ハルゲイサへの路線も開設予定でした。

就航都市と機材

2016年9月時点でのエール・ジブチ航空の就航都市は以下の通りです。

アフリカ
ジブチ：ジブチ市（ジブチ国際空港）
エチオピア：アディスアベバ（ボレ国際空港）、ディレダワ（アバテナ・デジャズマッチイルマ国際空港）
ソマリア：ベルベラ（ベルベラ空港）、ボサソ（ボサソ空港）、ハルゲイサ（ハルゲイサ国際空港）（2016年10月10日より就航開始予定）

機材

運用中（2016年8月現在）
ボーイング737-400：1機

導入予定
BAe 146：2機
ボーイング767-200ER：1機

過去の機材（初代）
エアバスA310-300
ボーイング727-200
ボーイング737-200
ブリストル フレイター
デ・ハビランド DH.89 ドラゴン・ラピード
デ・ハビランド・カナダ DHC-6
* ビーチクラフト モデル 18

エール・ジブチ航空は、その歴史の中で幾多の困難を乗り越えながらも、ジブチの空を繋ぎ続けるために進化を続けています。今後の展開にも期待が集まります。

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