オクターヴ

オクターヴとは

オクターヴ（オクターブとも表記）は、西洋[[音楽]]において、ある音と周波数比が2:1となる音との間隔を指す音程です。これは、ある音の振動数を2倍にした音、または1/2にした音との関係であり、音の高さが異なるものの、同じ音の種類として認識される、非常に重要な音程です。

用語の由来

西洋[[音楽]]の全音階は、周波数比2:1の音の間を、全音5つと半音2つで分割した7つの音（七音音階）で構成されています。この七音音階で、ある音から数えて8番目の音（同じ音名で高さが異なる音）がオクターヴとなります。ラテン語で「8番目」を意味する“octavus”が語源であり、そこから各国語に派生しました。

オクターヴは単に8度音程を意味するため、厳密には重減8度、減8度、完全8度、増8度、重増8度が含まれます。しかし、一般的には完全8度音程、またはその間隔を隔てた音を指します。また、1オクターヴだけでなく、2オクターヴ、3オクターヴなど、複数オクターヴを指すこともあります。

インド音楽では、オクターヴに相当する音程を「サプタカ」と呼びます。1サプタカは7つの音からなりますが、インド音楽では同度を0度と数えるため、西洋[[音楽]]とは異なる数え方となります。

オクターヴの理論

人間の聴覚は、ある音の周波数の2の整数乗倍（または1/2の整数乗倍）の音を、元の音と同じ種類と認識する性質を持っています。これは、自然界に存在する多くの音に含まれる倍音に、この関係の周波数の音が基礎となって響くことや、オクターヴ違いの2音間の振動数比が単純であることが理由として考えられます。この性質から、多くの文化でオクターヴ違いの音を同じ音名で表すことが一般的です。

例えば、西洋[[音楽]]ではA（ラ）音の1オクターヴ上もA音とされ、インド古典音楽でもSa（サ）音の1オクターヴ上はSa音となります。ただし、オスマン古典音楽（トルコ）のように、1オクターヴ上の音に異なる名称を与える文化も存在します。

単音程と複音程

オクターヴ以上にわたる音程を、理解しやすくするために、オクターヴ単位で移高した音程として表現することがあります。8度以下の音程は単音程、8度を超える音程は複音程と呼ばれます。例えば、17度音程は3度音程と解釈されます。

8度は、単音程とも複音程とも解釈されます。8度を複音程とみなした場合、1度音程に相当します。

楽譜におけるオクターヴ記号

西洋[[音楽]]の楽譜では、音部記号の範囲を超える高い音や低い音を表記するために、オクターヴ移高の記号が用いられます。これにより、加線が多くなって楽譜が見にくくなるのを防ぐことができます。

• - 8va (ottava alta): 「1オクターヴ高く演奏する」という意味です。
• - 8vb / 8va bassa (ottava bassa): 「1オクターヴ低く演奏する」という意味です。
• - 15ma alta/ 15ma: 「2オクターヴ高く演奏する」という意味です。
• - 15ma bassa/15ma b: 「2オクターヴ低く演奏する」という意味です。

かつては16maという表記も使われましたが、現在は15maが一般的です。

関連事項

オクターヴ奏法
ディケード (単位)

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