オットー2世 (バイエルン公)

オットー2世：バイエルン公、ライン宮中伯、そして帝国総督

オットー2世（1206年4月7日 - 1253年11月29日）は、13世紀のバイエルン公であり、ライン宮中伯として神聖ローマ帝国の政治に深く関わりました。その生涯は、領土拡大と権力闘争の中で波乱に満ち、後のバイエルン分割相続の端緒を開きました。

生い立ちと初期のキャリア

オットー2世は、バイエルン公ルートヴィヒ1世とボヘミア公ベドジフの娘ルドミラの間に生まれました。6歳の時、ライン宮中伯領の相続人であるアグネス・フォン・ブラウンシュヴァイクと婚約し、父ルートヴィヒ1世は1214年に宮中伯領を領地として受け取りました。1228年にオットーが騎士となるまで、父が宮中伯領を統治しました。宮中伯として、オットーは帝国摂政の地位にもあり、国王選挙において重要な役割を果たしました。1231年、父の死後、オットー2世はバイエルン公の地位を継承し、居所をケルハイムからランツフートに移しました。

バイエルン公、ライン宮中伯、そして帝国総督として

1233年、オーストリア公フリードリヒ2世との戦いにおいて、オットー2世はヴェルスを占領したため、皇帝フリードリヒ2世に反逆したハインリヒ7世と対立し、息子ルートヴィヒを人質とせざるを得なくなりました。1234年には、ザルツブルク、レーゲンスブルク、アウクスブルクなどと対立しました。当初、教皇に接近したものの、これが帝国に忠実な司教たちとの確執を招き、1238年にはホーエンシュタウフェン家に対抗するためボヘミアと同盟を結びました。

しかし、ボヘミア王ヴァーツラフ1世との関係悪化、対立王ハインリヒ・ラスペ4世への不信感、そしてモンゴルの侵攻という状況下で、オットーはホーエンシュタウフェン家に接近します。皇帝フリードリヒ2世との関係を修復し、1241年にはホーエンシュタウフェン家側につき、娘エリーザベトを皇帝フリードリヒ2世の息子コンラート4世と結婚させました。これにより、オットーはローマ教皇から破門されることになります。1246年にオーストリアのバーベンベルク家が断絶すると、オットーはホーエンシュタウフェン家の代わりとして、バーベンベルク家のゲルトルートと結婚していたバーデン＝バーデン辺境伯ヘルマン6世に対して訴訟を起こしました。そして1248年、皇帝はオットーにオーストリアの統治を委ねますが、ヴァーツラフの息子であるボヘミア王オタカル2世が1251年にオーストリアに侵攻し、オットーはオーストリアを維持できませんでした。ライン宮中伯としては、ロルシュを巡ってマインツ大司教と長年にわたり対立しました。

皇帝フリードリヒ2世の死後、コンラート4世はシチリアへ向かう前に、1251年6月のアウクスブルクの議会でオットーに帝国における権力の行使を託し、オットーは最後の帝国総督となりました。1253年11月末、オットーはランツフートで急死し、シャイエルンのベネディクト会修道院に埋葬されました。彼の功績を記念する銘板が、後にレーゲンスブルク近郊のヴァルハラ神殿に設置されました。遺領は長男ルートヴィヒ2世と次男ハインリヒ13世が共同統治することになりましたが、1255年に分割され、ルートヴィヒ2世が上バイエルンとライン宮中伯を、ハインリヒ13世が下バイエルンを相続しました。

死後の影響

オットー2世の統治下で、断絶したボーゲン伯、アンデクス伯、オルテンブルク家の領地がヴィッテルスバッハ家に与えられました。1248年に最後のバイエルン宮中伯ラポト3世が死去すると、その権利と領地はバイエルン公に接収されました。しかし、アンデクス伯が断絶した際、領地の南西部はバイエルンに戻らず、チロル伯のものとなりました。オットーの異父兄アルベルト4世の死後、ボーゲン伯の紋章であった白と青の菱形もバイエルンに伝わり、今日でもバイエルンの紋章の一部となっています。オットー2世の時代に獲得した領地と統治権は、もはや封土として他家に与えられることはなく、バイエルン公の官僚組織と行政システムによって確保されました。統一法の制定が始まり、役所や裁判所が創設されました。

家族

1222年5月、ライン宮中伯ハインリヒ5世の娘アグネスと結婚し、5人の子供をもうけました。

エリーザベト：ローマ王コンラート4世と結婚後、チロル伯兼ケルンテン公マインハルトと再婚
ルートヴィヒ2世：上バイエルン公、ライン宮中伯
ハインリヒ13世：下バイエルン公
ゾフィー：ズルツバッハ＝ヒルシュベルク伯ゲプハルト4世と結婚
* アグネス：ゼリゲンタール修道院の修道女

オットー2世の生涯は、神聖ローマ帝国の複雑な政治情勢の中で、領土拡大と権力闘争に明け暮れたものでした。彼の死後、バイエルンは分割され、その後の歴史に大きな影響を与えました。

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