オデッサ州

オデッサ州の概要

オデッサ州は、ウクライナの南西部に位置する州であり、州都はオデッサです。この地域は、南ブーフ川、ドニステル川、ドナウ川の河口に位置し、黒海に面しています。地理的には、北部には深い峡谷を持つポドィーリャ高地が、南部には池や湖が点在する平地が広がっています。

オデッサ州は、多様な歴史的背景を持つ地域です。古代にはギリシャの植民地が築かれ、その後、スキタイ、サルマタイ、ローマ帝国、ゴート族、フン族、アラン人、スラヴ人など、様々な民族の支配を受けてきました。中世には、リトアニア大公国、クリミア・ハン国、オスマン帝国などの勢力がこの地域を支配し、18世紀にはロシア帝国の一部となりました。その後、ウクライナ人民共和国、ウクライナ社会主義ソヴィエト共和国の一部となり、1932年にオデッサ州が設置されました。

地理

オデッサ州は、ウクライナの南西部に位置し、北はヴィーンヌィツャ州とキロヴォフラード州、東はムィコラーイウ州と接しています。西側はモルドバと、南西側はルーマニアと国境を接し、南は黒海に面しています。州の大部分は草原であり、北部はポドィーリャ高地の深い峡谷、南部は平地で湖沼が多く見られます。黒海に注ぐ200以上の河川があり、ドナウ川、ドニステル川、コードィマ川、サウランカ川が主要なものです。モルドバ共和国に突出した地域はブジャクと呼ばれ、歴史的にベッサラビアの一部であり、かつてルーマニアに属していたこともあります。

気候は大陸性気候で、1月の平均気温は-3.5°C、7月の平均気温は22°Cです。

歴史

オデッサ州の歴史は、紀元前7世紀から様々な民族や国家の支配を受けてきました。以下に主な歴史的変遷を示します。

紀元前7世紀-2世紀: スキタイの時代
紀元前6世紀: 古代ギリシャの植民地、ティーラとニコニイが建設される
紀元前2世紀-2世紀: サルマタイの時代
1世紀-3世紀: ローマ帝国の時代
3世紀-4世紀: ゴート族の時代
4世紀-5世紀: フン族の時代
7世紀-8世紀: アラン人の時代
8世紀-11世紀: スラヴ人の時代。ウーグリチ族とティーヴェルツィ族が支配
11世紀-12世紀: ペチェニーヒ人の時代
12世紀-13世紀: クマン人の時代
13世紀-15世紀: モンゴル人の時代
15世紀: リトアニア大公国の領土となる
1480年代: クリミア・ハン国の領土となり、ブジャク地方はモルドバ公国、後にオスマン帝国の支配下に置かれる
1768年-1812年: 露土戦争を経てロシア帝国の領土となる
1794年: オデッサ港町が創建される
18世紀末-19世紀: ロシア支配下のウクライナからのコサックと農民による植民が進む
1917年: ウクライナ人民共和国の領土となる
1918年: ブジャク地方がルーマニアに占領される（1940年まで）
1918年-1920年: ウクライナ内戦を経て、ウクライナ社会主義ソヴィエト共和国の領土となる
1932年: ウクライナ社会主義ソヴィエト共和国のオデッサ州が設置される
1954年: 南部のイズマイール州と統合される

人口

2001年のウクライナ国勢調査によると、オデッサ州の総人口は2,469,000人です。

都市人口: 1,624,600人（66%）
農村人口: 844,400人（44%）
男性: 1,155,400人（47%）
女性: 1,313,600人（53%）

観光

オデッサ州には、以下のような観光スポットがあります。

ビールホロド要塞（15世紀）
オデッサ港町（19世紀）
ドナウ川河口国立公園

脚注・参考文献

伊東孝之, 井内敏夫, 中井和夫編　『ポーランド・ウクライナ・バルト史』 (世界各国史; 20)－東京: 山川出版社, 1998年. ISBN 9784634415003
黒川祐次著　『物語ウクライナの歴史 : ヨーロッパ最後の大国』 (中公新書; 1655)－東京 : 中央公論新社, 2002年. ISBN 4121016556
Історія міст і сіл Української РСР: Одеська область. — Київ: УРЕ АН УРСР, 1969.

関連項目

ノヴォロシア人民共和国連邦

外部リンク

* オデッサ州合同庁の公式サイト（ウクライナ語）（英語）

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