オペル・オメガ

オメガ（Omega）の詳細

オメガは、オペルが製造・販売していたEセグメントの乗用車で、セダンとステーションワゴンの2種類のモデルを展開していました。シリーズは1987年のオメガAから2002年のオメガBまで続きましたが、オペルは2002年に生産を中止し、Eセグメントから撤退しました。

オメガの競争環境

オメガは、当時市場の中でBMW・5シリーズやメルセデス・ベンツ・ミディアムクラス、アウディ・100といったプレミアムモデルと競っていました。そのため、オペルはオメガをフラグシップモデルであるセネターの次に位置づけ、自らのブランド力を向上させるために力を注いでいました。この競争を背景に、オメガはメキシコやブラジルなどでもシボレーブランドやボクスホールブランドで販売されていました。

オメガA（1987-1994年）

オメガAは1987年に登場し、前年にデビューしたセネターを基にしたモデルです。この初代モデルは優れた空力特性を誇り、空気抵抗係数（Cd値）は0.28という低さを達成しました。これにより、1987年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。日本には1988年から輸入され、いすゞ自動車やヤナセを通して販売されました。

オメガAには数多くのバリエーションがあり、エンジン仕様も様々でした。特に、オメガ3000は175馬力を発生する直列6気筒エンジンを搭載し、そのスポーティな仕上げや、レカロ製スポーツシートが特徴的でした。その上位モデルであるオメガ3000 24Vは、200馬力のDOHCエンジンを搭載し、パフォーマンスも格段に向上しました。

オメガB（1994-2002年）

1994年に登場したオメガBは、前モデルよりも大胆なデザインとともに、ボディサイズも大型化しました。このモデルでは直列6気筒エンジンが廃止され、新たにV型6気筒エンジンが採用されました。1996年から1998年の間には、さまざまな年次改良が行われ、1999年にはマイナーチェンジも実施されました。

オメガBは日本でも販売され、主に4つのモデルがラインナップされていました。中でもオメガCDは、最量販グレードとして多くのユーザーに支持されました。上級モデルとなるオメガMV6は、210馬力のエンジンを搭載し、オペルの新たなフラグシップとして位置づけられました。

特別モデル

さらに、オメガにはスペシャルモデルとして、イルムシャーバージョンやロータス・オメガが存在しました。特にロータス・オメガは、377馬力を発生させる3.6LのDOHCツインターボエンジンを搭載したスーパースポーツセダンであり、1990年代を代表するモデルの一つとして名を馳せました。

最後に

オメガはその製造を終了した後も、ドイツ車の中での存在感を示す重要なモデルでありました。オペルのブランド力を高めてくれたオメガの時代は、近年の自動車業界においても語り継がれることでしょう。

もう一度検索