オーガスタス・チャールズ・ニューマン

オーガスタス・チャールズ・ニューマン中佐は、イギリス陸軍を代表する勇敢な将校として知られています。1904年、エセックス州チグウェルに生まれ、バンクロフトズ・スクールで教育を受けた彼は、1925年にイギリス陸軍に入隊。地元国防義勇軍のエセックス連隊に所属し、第二次世界大戦勃発後の1939年には現役へ編入、精鋭部隊として名高いブリティッシュ・コマンドスの第2コマンド部隊に配属されました。

ニューマン中佐の名を高めたのは、1942年3月28日に実行されたサン＝ナゼール強襲（チャリオット作戦）における活躍です。この大胆な作戦は、ドイツ軍の重要な拠点であるサン＝ナゼール港の破壊を目的としていました。ニューマン中佐は、最初に上陸したイギリス兵の一人として、先頭に立って敵陣へ突入。自らの手で将兵を率い、ドイツ軍施設への攻撃を指揮しました。

激しい戦闘の中、ニューマン中佐とその部隊は、増援を受けたドイツ軍に包囲されます。圧倒的な敵の数に劣勢ながらも、彼らは最後まで抵抗を続けました。弾薬が尽き、やむなく捕虜となるまで、包囲網からの脱出を試み続けたのです。この戦いで見せた類まれな勇気と献身的な指揮は、後にヴィクトリア十字章という最高の栄誉をもたらすことになります。

戦後、ニューマン中佐は1950年に国防義勇軍に再編入。特殊空挺部隊（SAS）にも所属し、その経験と高い能力を活かして任務にあたりました。1959年に国防義勇軍を定年退職した後も、1971年まで工兵・鉄道勤務隊で少佐として勤務し、軍への貢献を続けました。1972年、その生涯に幕を閉じました。

彼の偉業を称え、ヴィクトリア十字章は現在、ロンドンの帝国戦争博物館に展示されています。この勲章は、ニューマン中佐の並外れた勇気と献身、そしてサン＝ナゼール強襲における卓越した指揮能力を後世に伝える、貴重な証となっています。彼の功績は、多くの文献で取り上げられ、イギリス軍の歴史における重要な一ページを飾っています。例えば、『British VCs of World War 2: A Study in Heroism』(John Laffin, 1997)、『Monuments to Courage』(David Harvey, 1999)、『The Register of the Victoria Cross』(This England, 1997)、『The Sapper VCs』(Gerald Napier, 1998)といった書籍には、彼の戦功の詳細が記されています。これらの文献は、ニューマン中佐の生涯と業績を理解する上で重要な資料となります。彼の墓所とヴィクトリア十字章の所在については、関連ウェブサイトでも確認することができます。また、サン＝ナゼール強襲の詳細については、『HMS Campbeltown and the Raid on St. Nazaire』を参照することで、より深く理解を深めることが可能です。

オーガスタス・チャールズ・ニューマン中佐は、まさにイギリス軍の誇りであり、彼の勇敢な行動は、未来の世代に勇気を与え続けるでしょう。彼の生涯は、私たちに勇気と献身の大切さを改めて教えてくれます。

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