オーディシャス級航空母艦

オーディシャス級航空母艦

オーディシャス級航空母艦は、イギリス海軍が運用することとなる艦級の航空母艦であり、4隻が建造計画の下に1942年から1943年にかけて起工されました。最初の計画では、インプラカブル級航空母艦の拡張型で、27,000トン級として設計されましたが、新型航空機の導入に伴い格納庫の高さが不足と判断され、設計が見直されて33,000トン級の大型艦へと改訂されました。

この級の航空母艦は、イギリス海軍の艦隊強化策の一環として登場しましたが、第二次世界大戦の真っ最中、リソースの制約から航空母艦の建造は進まず、結果的に4隻のうち3隻は建造が途中で中止されました。これらは「アフリカ」と名付けられた艦も含まれ、1944年には大型のジブラルタル級航空母艦へ発注が変更されたため、オーディシャス級としては実質的に完成を迎えられませんでした。

1945年に戦争が終わると、イギリス海軍は艦隊拡張計画の大部分をキャンセルします。その結果、3隻が建造中だったのに対し、2隻のみが後に実際に就役することが決定しました。最終的に就役したのは「オーディシャス」（その後「イーグル」と改名）と「アーク・ロイヤル」の2隻で、どちらも1950年代に入ってからのことです。これらの艦は、イラストリアス級航空母艦の「ヴィクトリアス」やセントー級の艦と共に、蒸気カタパルトやアングルド・デッキを装備して活用されました。

新たな艦型の計画としてはCVA-01級航空母艦が進められていましたが、1966年にイギリスの労働党政権下での国防白書により、艦隊空母の将来的な廃止が決定され、その計画も中止されました。結果として、イギリス海軍は正規空母を放棄せざるを得ない状況へと追い込まれました。

オーディシャス級航空母艦は、当初より新型艦上戦闘機ファントム FG.1の運用に合わせて大掛かりな改修が計画されていましたが、財政的な理由から「アーク・ロイヤル」のみがその改修を実施しました。「イーグル」は1972年に退役を迎え、その後を「アーク・ロイヤル」が受け継ぐ形となりました。

「アーク・ロイヤル」はファントマイズ改装を受け、ファントムの運用に対応する形で改修されましたが、1978年には退役が決定し、イギリス海軍からCATOBAR式空母が消滅しました。一方で、イギリス海軍では新たに護衛巡洋艦を発展させたSTOVL空母インヴィンシブル級航空母艦が開発され、以後の空母戦力はこの艦級に引き継がれることとなりました。2022年時点ではその後継艦として、さらに大型化されたクイーン・エリザベス級航空母艦がその役割を担っています。

同型艦

1. オーディシャス（後にイーグルに改名）
2. アーク・ロイヤル

脚注

参考文献

• - BRITISH AND EMPIRE WARSHIPS OF THE SECOND WORLD WAR（Naval Institute Press）

関連項目

• - イギリス海軍航空母艦一覧
• - イギリス海軍艦艇一覧

外部リンク

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