オーバーン (揚陸指揮艦)

USSオーバーン (AGC-10)

USSオーバーン (AGC-10) は、アメリカ海軍の揚陸指揮艦であり、第二次世界大戦において重要な役割を果たしました。特に太平洋戦線での活動が顕著であり、硫黄島や沖縄といった激戦地での作戦を支援しました。

艦歴

オーバーンは、1943年8月14日にノースカロライナ州ウィルミントンのノースカロライナ造船社で起工され、「Kathay」という艦名でした。1944年1月31日に海軍に移管され、揚陸指揮艦への改装を経て「オーバーン (USS Auburn, AGC-10)」と改名されました。1944年7月20日、ラルフ・オーセン・メイアーズ大佐の指揮下で就役しました。

就役後、チェサピーク湾で慣熟訓練を行い、1944年8月17日に太平洋に向けて出発しました。パナマ運河を通過し、9月6日に真珠湾に到着。太平洋艦隊第2水陸両用群の旗艦に指定され、装備の追加と補修を受けました。

1945年11月中旬、オーバーンは火山列島侵攻に向けた演習を実施し、1945年1月27日にハワイを出発。エニウェトク環礁、サイパン島を経由して2月初旬にテニアン島に到着し、硫黄島侵攻の最終リハーサルを行いました。2月19日、海兵隊員が硫黄島に上陸を開始し、オーバーンは第2水陸両用群に所属する艦船の行動を調整、指揮しました。3月27日まで硫黄島沖に留まり、その後真珠湾に帰投しました。

5月15日、オーバーンはハワイを出撃し、5月31日に沖縄に到着。第5水陸両用部隊旗艦として、沖縄戦を指揮しました。日本軍の航空攻撃を受けましたが、幸運にも損傷を免れました。6月22日頃、沖縄の日本軍を指揮する牛島満陸軍中将らが自決。7月1日に真珠湾への帰路につきました。

オーバーンは、第二次世界大戦中の戦功により2個の従軍星章を授与されました。

戦後

真珠湾に到着後、オーバーンは乾ドック入りして補修を受けました。補修中に日本が降伏し、8月15日から4日後にハワイを出てフィリピンへの航海を開始。約1ヶ月の停泊後、9月14日にマニラを出港し、エニウェトク環礁、沖縄のバックナー・ベイを経由して9月20日に長崎県佐世保に到着しました。

長崎では、船舶・陸上間の通信確立や占領軍の設備準備などで重要な役割を果たしました。9月25日に和歌山に到着し、大阪、京都といった大都市の占領軍を支援しました。10月上旬に横浜へ移動し、10月12日に占領任務を終えて日本海域を離れ、帰国の途につきました。

10月21日に真珠湾に到着し、数日間滞在した後、10月31日にサンフランシスコ湾に入りましたが、11月5日に再びハワイへと向かいました。11月14日にハワイに到着し、軍人を乗せて出発。11月29日にパナマ運河を通過し、12月7日にノーフォークに入港して乗客を下ろしました。

到着から3日後、大西洋艦隊訓練司令部旗艦に指定され、1947年1月まで旗艦を務めました。その後、大西洋予備艦隊に編入され、ノーフォーク海軍造船所で不活性化処分を受け、1947年5月7日に退役しました。

1960年7月1日に海軍のリストから削除され、同年11月に処分のため海事委員会に移管。1961年に売却され、スクラップとして処分されました。

受勲

アメリカ従軍記章
アジア・太平洋従軍記章（硫黄島作戦、沖縄群島作戦）
第二次世界大戦戦勝記章
海軍占領功労記章
* フィリピン解放記章

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