カイル・ケンドリック

カイル・ロドニー・ケンドリック（Kyle Rodney Kendrick, 1984年8月26日 - ）は、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン出身のプロ野球選手です。ポジションは投手で、右投右打。現在はMLB・ボストン・レッドソックス傘下に所属しています。

プロ入り前

ケンドリックは、ワシントン州マウントバーノンのマウントバーノン高等学校時代に、アメリカンフットボール、バスケットボール、野球の3つのスポーツを掛け持ちするスポーツマンでした。

プロ入りとフィリーズ時代

2003年のMLBドラフト7巡目（全体205位）でフィラデルフィア・フィリーズから指名を受け、プロ入り。ワシントン州立大学でクォーターバックとしてプレーする機会を断念してのプロ入りでした。

4年間のマイナーリーグ生活を経て、2007年にメジャー初昇格。フレディ・ガルシアが故障者リスト入りしたことがきっかけでした。6月13日にシチズンズ・バンク・パークで行われたシカゴ・ホワイトソックス戦でメジャーデビューを果たし、初打席でメジャー初安打となるライト前ヒットを放ちました。この試合では6回を投げ3失点という内容でした。

6月18日のロサンゼルス・ドジャース戦で初黒星を記録。しかし、その後の18試合の登板でフィリーズは13試合に勝利し、ケンドリック自身も10勝4敗を記録。チームの地区優勝に大きく貢献しました。ナショナルリーグディビジョンシリーズでは、コロラド・ロッキーズ相手に2試合目で先発を任されました。

この年の新人王投票では7ポイントを獲得し5位。新人王はライアン・ブラウンが獲得しました。

2008年のスプリングトレーニング初日、チームメイトのブレット・マイヤーズが中心となり、ケンドリックに対し「コバヤシ・イワムラとの交換トレードで日本（読売ジャイアンツ）へ移籍することになった」というドッキリを仕掛けました。球団全体が仕掛け人となり、ケンドリックはすっかり信じてショックを受けましたが、報道陣から日本行きについてコメントを求められていた際に、マイヤーズがMTVの番組パンクトから引用した「punked」と叫んだことでようやくジョークだと気づきました。

この年はフィリーズの先発4番手を務めることになりました。4月から6月にかけて好調を維持しましたが、7月には調子を落とし、ポストシーズンのロースターから外れることになりました。その間、フロリダ教育リーグでチェンジアップを学ぶこととなりました。ワールドシリーズではロースターには入れなかったものの、ベンチ入りは果たし、シリーズ中は共著でワールドシリーズの日記を連載していました。

2009年は怪我の影響で9試合の登板に終わりましたが、2010年には11勝を挙げて復活を果たしました。2011年からは先発ローテーションの状況によっては、リリーフに回ることも多くなりました。2014年オフにFAとなっています。

ロッキーズ時代

2015年2月4日に1年550万ドルでコロラド・ロッキーズと契約。この年は27試合に先発登板し、7勝13敗、防御率6.32、80奪三振という成績を残しました。同年11月2日にFAとなりました。

エンゼルス傘下時代

2016年1月7日にアトランタ・ブレーブスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加しましたが、結果を残せず自由契約となりました。その後、4月23日にロサンゼルス・エンゼルスとマイナー契約。この年はメジャーでの登板はなく、傘下のルーキー級アリゾナリーグ・エンゼルスとAAA級ソルトレイク・ビーズでプレーし、2球団合計で20試合（先発19試合）に登板して7勝6敗、防御率4.46、70奪三振の成績を残し、オフにFAとなりました。

レッドソックス時代

2017年1月18日にボストン・レッドソックスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加。開幕は傘下のAAA級ポータケット・レッドソックスで迎え、5月4日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入り。同日のボルチモア・オリオールズ戦で先発しましたが、4回6失点で敗戦投手となり、その後AAA級へ降格、6月22日に40人枠外となりました。

投球スタイル

フォーシームはほとんど投げず、88～92mph（約141.6～148.1km/h）のツーシームが中心。次いで、85～88mphのカッター、80～84mphのチェンジアップの割合が高くなっています。カーブも投げるが、頻度は高くありません。かつてはスライダーもよく投げていましたが、2010年頃からは投げなくなりました。奪三振率は低く、打たせて取る投球スタイルであり、2012年に初めて奪三振数が100を超えました。

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