カッくんカフェ

概要

『カッくんカフェ』は、1984年7月に劇場公開されたギャグアニメーション映画です。当時、ロッキード事件で収監されていた田中角栄をモデルとして製作されました。企画の背景には、田中角栄の話題性が非常に高かったことが挙げられます。制作スタッフは、ほぼ同時期に人気を博した野球アニメ『がんばれ!!タブチくん!!』のメンバーが中心となり、作風には漫画家いしいひさいちの影響が色濃く反映されています。

キャストとストーリー

作中には、当時の政治家や著名人が多数登場します。中曽根康弘総理、福田赳夫元総理、アメリカ大統領ロナルド・レーガンといった実在の人物が、アニメキャラクターとして登場し、物語を彩ります。また、大屋政子、古舘伊知郎、星セント・ルイス、山本晋也などが本人役でゲスト出演しています。主人公である田中角栄は、声優の伊武雅刀が演じました。

ストーリーは、田中角栄がなぜか国会の閣議に出席している場面や、スーパーマンのパロディなどが盛り込まれ、バラエティに富んだ内容となっています。

興行とその後

鳴り物入りで公開された『カッくんカフェ』でしたが、興行的には惨敗に終わりました。田中角栄の地元である新潟県で先行公開されたものの、観客の反応はいまひとつだったとされています。上映後にはビデオソフトが発売されましたが、大幅なカットが施されており、一部は後述するサウンドトラックのミュージックビデオのように扱われています。2023年現在、DVD化やテレビ放送はされておらず、幻の作品となっています。

声の出演

伊武雅刀: カッくん
八代駿：ナカちゃん、シンヤ
梶哲也：ミキちゃん
納谷悟朗：フクちゃん
阪脩：レーガン刑事
竹中直人：ケンイチ、タコ委員長、ナゾの男
白石冬美：マサコ、アキコ、サッチャー
松金よね子
北口光彦
桂米助
星セント・ルイス
古舘伊知郎
高橋惠子
糸井重里
長谷川和彦

スタッフ

監督：小林治
原作・脚本：カッくん制作団
企画：西城鉄男、宇田川東樹
プロデューサー：宇田川東樹
キャラクターデザイン：芝山努
作画監督：芝山努
撮影：若菜章夫
美術：清水一利
録音：明田川進
編集：椙本英雄
音楽：福井峻、平野融
アニメーション制作：亜細亜堂
制作：東京メディアコネクションズ
配給：ジョイパックフィルム

サウンドトラック

上映に先駆けて、フォーライフ・レコードからサウンドトラックLPレコードが発売されました。なぎら健壱が中心となり、さいたまんぞう（なぎらとのデュエット）、シュガー、ヒロスケ、中村泰士などが参加しました。劇中未使用のなぎら健壱のシングルも収録されています。CD化はされていませんが、なぎら健壱の楽曲の一部はベストアルバム『中毒』に収録されています。ライナーノーツによると、なぎら健壱はヒットを狙ったものの、周囲からは「そんな映画があったのか？」と驚かれる程度だったようです。なぎら健壱の公式サイトのディスコグラフィーにも掲載されています。ジャケットは、当時流行していたプールバーをモチーフにしたデザインとなっています。

収録曲

A面
猛烈!!カックンロール：ヒロスケ
ソーリートレイン：なぎらけんいちとまんぞう
なぎらのマイムマイム：なぎらけんいちとフォーク団’s
こういっちゃナンだけど・・・：なぎらけんいち（「中毒」には未収録）
B面
上のヒト音頭：なぎらけんいちとまんぞう
いちど遊びに来ませんか：中村泰士
アーバー・サーファー・ギャル：なぎらけんいちとフォーク団’s
青春もの僕の旅がいま・・・：シュガー
さらばカックン：インスト（作曲：羽田健太郎）

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