カトリック山田教会

カトリック山田教会は、長崎県平戸市の生月島に位置するカトリック教会です。この教会は、島の歴史と深く結びついており、その美しい姿は多くの人々を魅了しています。

歴史

生月島は、16世紀にガスパル・ヴィレラ神父によってキリスト教が伝えられて以来、隠れキリシタンが多い地域でした。1865年の「信徒発見」後、黒島の信徒たちが島を訪れ、カトリックへの復帰を働きかけましたが、当初は受け入れられませんでした。しかし、1878年にアルベール・ペルー神父が平戸に来島し、洗礼を授けたことで、多くの人々がカトリックに改宗しました。これらの人々が、現在の山田教会の信徒の祖先にあたります。

1880年頃には仮聖堂があったとされていますが、1909年にマタラ神父によって本格的な教会建設が開始され、1912年に完成・献堂されました。その後、1970年には改築・一部増築が行われ、現在の姿となりました。

生月島では、カトリックが再宣教された際に、それに応じず、潜伏時代の信仰組織と様式を守り続ける「カクレキリシタン」も多く存在し、現在もその信仰が維持されています。この教会は、カトリック信仰とカクレキリシタンの歴史が交錯する場所として、重要な意味を持っています。

概要

教会堂は、長崎県内で数多くの教会建築を手がけた鉄川与助の設計・施工によるロマネスク様式です。その外観は、シンプルながらも重厚感があり、訪れる人々を惹きつけます。

教会内部の壁面には、蝶の羽で作られた装飾画が飾られています。この装飾画は、1990年頃に当時の主任司祭であった烏山邦夫神父が、自ら蝶を採集し、カトリックの「七つの秘跡」を表現したものです。繊細な蝶の羽が織りなす芸術は、訪れる人々の心を打ちます。

教会の前庭には、1987年に列聖された生月島出身の聖人・トマス西の列聖記念碑が建てられています。この碑は、トマス西の信仰と勇気を称えるもので、教会の重要な象徴となっています。

場所とアクセス

所在地は、〒859-5704 長崎県平戸市生月町山田免442です。アクセスは、生月大橋から車で約5分、生月バス「飛石」バス停から徒歩10分です。周辺には、黒瀬の辻殉教地（ガスパル西殉教地）や平戸市立山田小学校などがあります。

関連情報

カトリック山田教会は、カトリック長崎大司教区に属しています。この教会は、生月島の信仰の歴史を物語る重要な場所であり、多くの人々にとって心の拠り所となっています。その美しい建築と装飾、そして歴史的な背景から、訪れる人々に深い感動を与えています。

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