トマス西

トマス西六左衛門（1590年 - 1634年）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍したカトリック司祭です。1987年には「聖トマス西と15殉教者」の一人として、カトリック教会の聖人に列せられました。

生涯

1590年、肥前国松浦郡生月島（現在の長崎県平戸市）にて、熱心なキリシタンであるガスパル西の次男として誕生しました。母はウルスラ・トイです。幼少期にカトリックの洗礼を受け、有馬（現在の長崎県南島原市）のセミナリオで学びました。その後、教会や修道院で奉仕する同宿となり、1620年にはマニラへ渡ります。1624年にはドミニコ会に入会し、「ロザリオのトマス」という修道名を授けられました。1626年には司祭に叙階され、日本へ帰国。

帰国後は、江戸幕府による厳しい迫害に苦しむ信者たちを励まし、秘跡を授けながら潜伏生活を送りました。しかし、共に司牧活動を行っていたジョルダーノ・アンサローネ神父を看病中に捕らえられ、長崎へ連行されてしまいます。拷問を受け棄教を迫られましたが、信仰を捨てることなく、1634年11月17日、西坂の丘で逆さ吊りの刑を受け殉教しました。

同時期に殉教したドミニコ会関係者15人と共に、1981年にマニラでカトリック教会の福者に挙げられ、1987年にはローマ教皇ヨハネ・パウロ2世によって聖人に列聖されました。ヤコボ朝長、ビセンテ塩塚と共に、日本人司祭として初めて聖人の列に加えられています。

脚注

参考文献

『キリストの証し人』　フーベルト・チースリク著 聖母の騎士社

外部リンク

生月の殉教者 ガスパル西玄可とその家族
生月学講座 No.076「ガスパル西玄可の殉教」

関連項目

聖トマス西と15殉教者
ペトロ岐部と187殉教者

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