カナダ合同教会
カナダ合同教会の概要
カナダ合同教会（United Church of Canada）は、カナダにおけるプロテスタント系キリスト教の最大の教派であり、ローマ・カトリック教会に次いでカナダのキリスト教全体では2番目に規模が大きい教派です。本教会は、1925年にカナダ・メソジスト教会、オンタリオおよびケベック会衆派教会、カナダ長老教会の3つと、平原地方を中心に活動していたアソシエーション・オブ・ローカル・ユニオン・チャーチが合同して設立されました。また、1968年に福音合同兄弟団カナダ会議も合流しています。
会員数と参加者の状況
最新の調査（2008年）によると、カナダ合同教会には約525,000人の会員と280万人の信徒がいます。定期的に行われる3362の牧会区には、約20万人が参加しています。しかし、1991年から2001年にかけて、会員数は約8％減少しました。これはカナダにおける主流のキリスト教教派の中では、減少率が最も少ない部類に入ります。
教会の運営と組織
合同教会は、「ボトムアップ」型の運営が行われており、教職者は会衆によって選出されます。監督職はなく、政治的にもリベラルで多様性に富んだ考え方が支持されています。教職者になるには性別や性的指向、婚姻状況において制約はなく、他の宗教を信じる者との婚姻も条件なく認められます。また、教会の陪餐は信徒の年齢や教派に関係なく、全てのキリスト教徒に開かれています。
教会の構成
教会の運営は4つのレベルで構成されており、主に牧会区、長老会、協議会、そして総会（最高位の立法機関）からなります。
- - 牧会区: 基盤となる組織で、1つ以上の教会が含まれ、日々の運営を担当します。
- - 長老会: 複数の牧会区を監督し、新しい教職者の選任などに関与します。
- - 協議会: 教職者の訓練や教会伝道の方針決定を担います。
- - 総会: 教会全体の政策決定を行い、教職者の選出も行います。
教職者と信仰実践
合同教会の教職者は「教職者」と呼ばれ、専任教職者と俗人教職者の2つのカテゴリーに分かれています。枠には性別や婚姻状況の制約はありません。また、合同教会では聖書が信仰の中心とされつつも、物語の文字通りの解釈は避けることが重要とされています。ここで聖書は人々にとっての神の啓示と捉えられています。
聖礼典
聖礼典には、洗礼と陪餐があります。
社会的姿勢と価値観
イエスが徴税人や売春婦と食卓を共にしたことから、合同教会はすべての人の受け入れを大切にしています。結婚やその他の人間関係についても、様々な形態を認め、祝福します。また、妊娠中絶に関しては、女性の選択の権利を支持しています。
歴史的背景
教会は、20世紀初頭のカナダにおいて主要なプロテスタント教派の合同の流れの中で成立しました。設立当初から、教会は社会問題への対応やエキュメニカルな姿勢を貫いてきました。特に1980年代以降、生じた様々な社会的課題に対処することで、教会は時代と共に柔軟に取り組んできました。
近年の動向
2005年には同性婚が法的に認められるよう動き出し、教会もその立法を支持しました。さらに、先住民との関係の改善にも力を入れています。近年の連携やボイコット運動は、教会に新たな展望を広げています。こうした活動を通じて、合同教会は現代社会における信仰と実践の新しいモデルを提示しています。
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