会衆

会衆（えしゅ、かいしゅう）

会衆とは、仏教とキリスト教という異なる宗教において用いられる用語です。しかし、それぞれの宗教において意味が異なり、読み方も異なります。

仏教における会衆（えしゅ）

仏教における会衆（えしゅ）とは、主に法会（ほうえ）に集まる人々のことを指します。法会とは、仏事や故人の供養などのために行われる集会のことです。人々が集まり、共に仏教の教えに触れ、供養を行う場において、その集まった人々を「会衆」と呼びます。

キリスト教における会衆（かいしゅう）

キリスト教における会衆（かいしゅう）とは、キリスト教会の信徒たちのことを指します。特に、キリスト教の教派の中で、会衆制という教会政治制度を採用する教派においては、特定の目的や活動のために集められた信徒集団を指す言葉として用いられます。また、教会そのものを指す別称としても使用されます。

会衆制を採用する教派においては、信徒一人ひとりの意思が尊重され、教会の運営や意思決定に信徒全体が参加する形が取られます。そのため、会衆という言葉は、単なる信徒の集まり以上の意味を持ち、教会共同体の主体性を強調する意味合いを含んでいます。

聖書においては、信徒集団を指す言葉として「教会」という語が用いられることが一般的です。しかし、教会という言葉が礼拝を行うための建物そのものを指す意味合いで捉えられることが多いため、会衆制を採用する教派においては、かつては「教会」という訳語を適切ではないとして、使用を避ける時期もありました。代わりに「会衆」という言葉を用いることで、信徒の集まりとしての教会を明確に意識し、その主体性を強調しようとしたのです。

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