カナリア鳴いた頃に

カナリア鳴いた頃に：WANDSの新たなバラード

2021年6月9日、WANDSはD-GOより18枚目のシングル「カナリア鳴いた頃に」をリリースしました。これは、WANDSにとって2021年最初のシングルであり、初のノンタイアップ作品という点で注目を集めました。

楽曲制作：繊細なメロディーと歌詞の世界

表題曲「カナリア鳴いた頃に」は、2021年初頭に制作が始まりました。ギターの柴崎浩が過去に作ったデモを基に、ボーカルの上原大史が作詞を担当。メロディーを重視し、ギター1本でも成立するような楽曲を目指したとのこと。当初のデモはWANDS向けのものではなかったそうですが、上原の歌詞によってWANDSの世界観が表現されています。歌詞は男性目線と女性目線の2パターンが作られましたが、最終的には女性目線の歌詞が採用されました。

上原は、鳥の名前を使ったフレーズを入れたいと考え、「カナリア」を選びました。見た目も美しく、普段はあまり鳴かないものの、春から夏にかけてよく鳴くカナリアは、楽曲の繊細な雰囲気と見事にマッチしています。美しいメロディーに合う歌詞を作るプレッシャーもあったようですが、上原は見事にそれを乗り越え、完成度の高い歌詞に仕上げています。

テンポのゆったりとした楽曲に合わせ、上原は歌い方にも変化を加えました。柴崎は上原の歌詞と歌の世界観を尊重し、デモの音色を大きく変えることなく、楽曲を完成させました。レコーディングで使用されたギターは、ミュージックビデオにも登場するThree Dots Guitarsのセミアコースティックギターです。

カップリング曲：過去の楽曲を新たなアレンジで

カップリング曲には、第3期WANDSの楽曲がリメイクされて収録されています。選曲は、スタッフと過去のファンを考慮して行われたとのこと。初回限定盤には「錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう」(1997年リリース)のハードロックアレンジ版、通常盤には「Brand New Love」(1998年リリース)が収録されています。「Brand New Love」は、2020年の配信ライブ「WANDS Streaming Live 〜BURN THE SECRET〜」での演奏をきっかけに収録が決定したそうです。オリジナルに忠実なアレンジを心掛けつつも、ボーカルは攻撃的な仕上がりとなっている点がポイントです。

ミュージックビデオとリリックビデオ：映像による表現

「カナリア鳴いた頃に」のミュージックビデオは、2021年5月17日に公式YouTubeチャンネルで公開されました。活動休止中のキーボード、木村真也は撮影に参加していません。また、2021年7月にはクリエイターkairiが手掛けたリリックビデオも公開されています。

高い評価：批評家の声

「カナリア鳴いた頃に」は、各方面から高い評価を受けています。Billboard JAPANは、「メロディー、歌詞、ボーカル、サウンド、そのすべてが繊細に共鳴しあい形成された美しくやさしい1曲」と評し、BARKSは「WANDSの新境地を示す1曲。絵画的な風景表現、叙情的なメロディーが織り成す繊細な仕上がり」と絶賛しています。

まとめ

「カナリア鳴いた頃に」は、WANDSの新たな一面を示す、繊細で美しいバラードです。メロディー、歌詞、歌声、サウンド、そしてミュージックビデオ、全てが一体となって、聴く者の心に響く作品となっています。過去の楽曲のリメイクも収録されており、WANDSのファンにとっても、新たな発見のある一枚と言えるでしょう。

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