カピターニ・ロマーニ級軽巡洋艦

カピターニ・ロマーニ級軽巡洋艦の概要

カピターニ・ロマーニ級軽巡洋艦（Incrociatore leggero classe Capitani Romani）は、イタリア海軍が第二次世界大戦中に竣工させた軽巡洋艦の艦級です。この級の艦船は古代ローマにおける軍人の名にちなんで命名されており、主に迅速さと機動性を重視した設計が特徴です。特に、本級の艦船は40ノットという速力を誇り、巡洋艦以上の艦艇としては歴史上最速の部類に入ります。

建造の背景と目的

本級は、フランス海軍の大型駆逐艦に対抗するために設計・建造されました。イタリア海軍では、以前からコンドッティエリ型軽巡洋艦を整備していましたが、大戦を前にして艇体が大型化し、以前の艦級に比べて建造費が膨張し、建造時間も長くなってしまいました。そのため、新たに設計される軽巡洋艦は小型化を図り、高速性を確保することでコストの縮減を図ることになりました。設計には、ソ連海軍からの依頼を受けたタシュケント型大型駆逐艦を参考にしました。

最初の設計では、副武装として6.5cmの高角砲と水上機が予定されていましたが、艦体が小型だったため、防御力や高角砲の搭載を断念し、代わりに3.7cm機関砲を装備する方向に変更されました。結果として、当初計画された12隻の内、完成したのは僅か3隻であり、残りは建造を中止されました。

船体形状と艦内構造

カピターニ・ロマーニ級の艦体形状は、長船首楼型から広く採用される平甲板型に変更されました。艦全体には、新設計の1938年型13.5cm主砲の連装砲塔が配置され、2基ずつの砲塔が設置されています。艦橋は軽量かつ機能的な設計がされており、測距儀も装備されています。特に注目すべきは、二本の煙突の間に配置された魚雷発射管で、発射管は両舷に設置されています。

艦尾には機雷投下のための装置も備えられており、防御力の一部として艦橋には15mm、主砲塔には20mmの断片防御装甲が施されています。

就役後の改装と運用

1943年には、国産のEC.3型レーダーが艦船に搭載され、「アッティオ・レゴロ」と「シピオーネ・アフリカーノ」は特に有名です。その後、1950年には「ポンペオ・マーニョ」が近代化改装を受け、新艦名「サン・ジョルジョ」に改名されて再就役しました。さらに二代目の「サン・マルコ」も、同様に改装が実施されました。

武装と防御

無防御の設計がなされながら、主砲にはカイオ・ドゥイリオ級戦艦と同じく、13.5cmの砲が利用されています。副砲としてもブレダ社製の37mm高角機関砲が多く配置され、抗堪性の高い船舶として運用をされています。

結論

カピターニ・ロマーニ級軽巡洋艦は、イタリア海軍の艦艇における重要な位置付けを持ち、迅速な行動能力を兼ね備えた艦として今なお語り継がれています。そのデザインや性能は、当時の戦術や技術の進化を反映したものと言えるでしょう。

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