カブウェ

カブウェ（Kabwe）

カブウェは、ザンビア中央部に位置する都市で、かつてはブロークン・ヒルという名称で知られていました。1967年までこの名前で呼ばれていましたが、その後の名称変更により現在の名で親しまれています。カブウェは中央州の州都であり、2016年のデータによると、人口は約224,300人です。この都市は、ザンビアのほぼ中央に位置し、首都ルサカから130キロメートル北に、カピリ・ムポシからは60キロメートル南に位置しています。

鉱業の中心地

カブウェは、主に鉱業が盛んな地として知られています。亜鉛や鉛のほか、銀、マンガン、カドミウム、チタンといったさまざまな鉱物が採掘されています。都市にはザンビア鉄道の本部があり、北のキトウェやカッパーベルト州、南のルサカに向かう鉄道路線がここで管理されています。

歴史

カブウェの歴史は、1902年に亜鉛と鉛の鉱脈が発見されたことに始まります。この発見により、町はオーストラリアの鉱山町ブロークン・ヒルにちなんで名付けられました。1904年にはブロークン・ヒル鉱山が設立され、採掘が開始されます。この時期、カブウェはイギリスの植民地時代の銅鉱山開発の拠点として急成長しました。1906年には、南のリヴィングストンからローデシア鉄道が到達し、鉱業の発展が加速しました。

町の発展に伴い、さまざまな資源が産出されるようになり、1921年には鉱脈掘削中に古人類の化石が発見されました。この化石はローデシア人（ホモ・ローデシエンシス）と名付けられ、カブウェの名の由来をも深めることとなりました。

しかし、1980年代に入ると、鉱山は閉鎖され、カッパーベルト州が新たな鉱業開発の中心地となりました。長年の採鉱活動により、カブウェの環境は大きく悪化し、2007年にはブラックスミス研究所が発表した「世界で最も汚染された10の都市」にランクインするという事態に陥りました。特に、鉛やカドミウムによる土地の汚染が問題視されており、子供たちの血中の鉛濃度は通常の5倍にも達しています。

気候

カブウェの気候は、熱帯雨林気候に分類され、雨季と乾季がはっきりと分かれています。雨季は11月から4月頃まで続き、降水量が多くなります。一方、乾季は5月から10月頃まで続き、比較的涼しい気温となります。この気候は、農業や鉱業活動に影響を与え、多様な生態系を育む要因ともなっています。

教育機関

カブウェにはムルングシ大学があり、2008年1月にザンビアで3番目の総合大学として設立されました。これにより、地域の教育活動も活性化しており、大学は地元の学生に高等教育の機会を提供しています。

カブウェは、鉱業の歴史や環境問題を抱えながらも、過去の栄光を持つ都市であり、今後の発展が期待される地域でもあります。

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