カマル・ウスマン

カマル・ウスマンのプロフィール

カマル・ウスマン（1987年5月11日生まれ）は、ナイジェリア出身の男性総合格闘家で、アメリカ・フロリダ州に拠点を置き、ONXスポーツに所属しています。彼は元UFC世界ウェルター級王者であり、アフリカ出身者及びナイジェリア人として初めてのUFC世界王者となった人物です。UFCのウェルター級ランキングにおいては、2位に位置しています。また、リアリティ番組『The Ultimate Fighter 21』を制した実績も持っています。

幼少期と教育

ウスマンはナイジェリアのアウチで生まれ、ベニンシティで育ちました。父親はナイジェリア陸軍の少佐であり、母親は教師でした。彼が2歳の時、家族はアメリカへ移住し、8歳でフロリダ州に定住。その後、高校ではレスリングを始め、当時のライバルには後のUFC世界ライトヘビー級王者ジョン・ジョーンズがいました。さらに、彼はネブラスカ大学カーニー校に進学し、レスリングでNCAAディビジョン2にて1度優勝、オールアメリカンにも3度選出されました。彼の成績は44勝1敗を記録しています。大学卒業後はフリースタイルレスリングでのオリンピック出場を目指し、オリンピック・トレーニング・センターでトレーニングを積んでいたのですが、怪我の影響でオリンピック代表選考会に出場できず、2012年11月に総合格闘技の道を選びデビューしました。

The Ultimate Fighter 出場

2015年、ウスマンはリアリティ番組「The Ultimate Fighter」のシーズン21に参加し、ブラックジリアンズチームの一員としてトーナメントを戦いました。第一次トーナメントでは、マイケル・グレイブスに判定勝ちを収め、準決勝ではスティーブ・カールを下して決勝に進出。2015年7月のThe Ultimate Fighter 21 Finaleではヘイダー・ハッサンに対し、2ラウンドで肩固めにより一本勝ちを収めトーナメントの優勝者となりました。その結果、彼は「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」の賞も獲得しました。

UFCキャリア

ウスマンは2015年12月にUFCデビューを果たし、レオン・エドワーズと対戦して判定勝ち。それ以降も数回にわたり名選手達を相手に勝利を収め、2019年3月にはUFC 235でタイロン・ウッドリーに挑戦し、見事に王座を獲得しました。この勝利はアフリカ出身者として初のUFC王座獲得となり、ウスマン自身のキャリアにおいても大きな転機となりました。また、その試合後にはコルビー・コヴィントンとの小競り合いが報じられるなど、緊張感のある状況も生まれました。

初防衛戦では2019年12月にコヴィントンと対戦し、5ラウンドでTKO勝ちを収めました。以降も彼はホルヘ・マスヴィダルやギルバート・バーンズとの試合で連続防衛を果たし、その度に圧倒的なパフォーマンスで観客を魅了しました。特に2021年のUFC 261では、マスヴィダルとの再戦でKO勝ちを収め、再度注目を集めました。ただし、2022年8月のUFC 278ではレオン・エドワーズに逆転KO負けを喫し、王座を失いました。この試合はウスマンにとって、キャリア2戦目以来の敗北となり、その後の試合でも苦戦する場面が見られました。

戦闘スタイル

ウスマンのファイトスタイルは、長いリーチと圧倒的なフィジカルを活かした打撃やケージレスリングに特化しています。彼は多彩なテクニックを駆使して、試合をコントロールし、相手の得意分野を封じ込めることが得意です。また、89%という高いテイクダウンディフェンス率を誇り、試合を通じて持続可能なスタミナを武器に戦っています。

人柄とエピソード

ウスマンは「ザ・ナイジェリアン・ナイトメア」というニックネームを持ち、これは元NFL選手クリスチャン・オコエから許可を得て名付けられました。また、人々からは「マーティー」と呼ばれることもあります。この名前は高校のレスリングコーチがウスマンの名前が発音しにくいことから付けられたものです。彼はUFCの解説者としても活躍し、同じナイジェリア出身のUFC世界ミドル級王者イスラエル・アデサンヤとも親交が深いことで知られています。

ウスマンには実弟および実兄がいて、彼らも別々の分野で活躍しています。父親は過去に犯罪で有罪判決を受けたことがあり、ウスマンはその件についてアメリカの司法制度への批判の声を上げていました。家族との絆や成長過程には多くのストーリーが詰まった選手です。彼の今後の活躍にも期待が寄せられます。

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