カミラフカ

カミラフカ（ギリシア語: καμιλαύκιον, καλυμμαύχιον, καλυμαύχι、ロシア語: камилавка、ラテン文字表記例: kamilavkion, kamilavka）は、正教会において司祭および輔祭が着用する円筒形の帽子です。日本正教会では「円帽子」とも呼ばれますが、この呼称は一般的ではありません。

形状と象徴

カミラフカはその独特な形状で目を引きますが、象徴的には謙遜、この世の貧しさ、そして信者が負うべきくびきを意味します。この帽子は、聖職者の精神的な姿勢を表す重要な要素となっています。

クロブークとの関連

カミラフカにベールを取り付けたものがクロブークであり、これは修道士が着用する帽子です。クロブークは、修道士の信仰生活における特別な役割と献身を示すものです。

地域差

カミラフカの形状は、地域や教会の伝統によってわずかに異なります。ギリシャ系の伝統を持つ教会とロシア系の伝統を持つ教会では形状に差異が見られます。セルビア正教会など、他の地域でも独自の形状のカミラフカが用いられています。このように、カミラフカの形状には地域的な多様性があります。

ロシア正教会における運用

ロシア系の教会では、カミラフカは一定の年功と功績を積んだ司祭（長司祭）や輔祭に与えられるものです。叙聖された当初から着用するわけではありません。これは、カミラフカが単なる装飾品ではなく、聖職者の地位と功績を象徴するものであることを示しています。

文学作品における言及

村上春樹は、アトス山を巡る紀行文『雨天炎天』の中でカミラフカを「バースデーケーキ」に例えました。また、北野武は「煙突みたいな帽子」と評しましたが、これはクロブークまたはカミラフカのいずれかを指していると考えられます。これらの表現は、カミラフカの独特な形状を捉えたものです。

参考文献

正教会の祭服 その意味と機能 - コンスタンティン桝田尚神父
聖器物や祭服 - 日本正教会公式サイト

関連項目

スクフィヤ
クーコリ
* ロシア帽

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