カラムクドリ

カラムクドリについて

カラムクドリ（唐椋鳥、学名: Sturnus sinensis）は、スズメ目ムクドリ科に属する鳥です。英語では「White-shouldered Starling」と呼ばれるこの種は、コムクドリの亜種の一つであると考える学者もいるため、分類において注目されています。また、この鳥はその独特な外見と行動から、日本国内外で興味を持たれている存在です。

形態

カラムクドリの大きさは全長約19cm 短く、コムクドリと同程度の体面を持っています。具体的には、嘴の長さは18～21mm、翼の長さは95～108mm、尾は53～62mm、そして足（跗蹠）は24～27mmに達します。雄成鳥は主に灰褐色の羽毛をしており、頭部や背中、腹部はこの色調を基にした明るい羽色で覆われています。これらの特徴は、他のムクドリ科の鳥と一線を画すポイントとなっています。

分布

カラムクドリは、東アジアから東南アジアの広い地域に生息しています。その分布域には、ブルネイ、カンボジア、中国、インド、日本、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムなど、多くの国が含まれています。在来種として日本にも見られ、本州、九州、硫黄列島、そして石垣島や宮古島にも分布が確認されています。

生態

日本においてカラムクドリは、比較的珍しい冬鳥または旅鳥として観察されることが多いです。特に石垣島では冬季に見かけることが多い一方で、本州や奄美大島では非常に稀な存在であり、迷鳥として扱われることがあります。インドシナ半島においては、林の周縁部や村の近くの粗林で数羽ずつ群れを成している姿が見られることが多く、その環境に適応しながら生活しています。この鳥の習性は、コムクドリと非常に類似している点も興味深いです。

鳴き声

カラムクドリの主な地鳴きは「キュルキュル」という音を発し、その特徴的な声で周囲にその存在を知らせます。これは、仲間同士のコミュニケーションや警戒のサインとして機能しているとされます。

人間との関係

カラムクドリはその美しさと特徴的な生態から、日本の野鳥愛好者にとって興味深い存在となっています。日本の野鳥一覧にも名を連ね、同じくムクドリ系のホシムクドリやバライロムクドリといった他種との比較が行われることもあります。

参考文献

以下の文献がカラムクドリに関する情報源として有用です。

• - 小林恵介著 『原色日本鳥類図鑑』 保育社 1956年
• - 奄美野鳥の会 編 『奄美の野鳥図鑑』 文一総合出版 2009年

カラムクドリはその多様性から観察する価値があり、特にその行動や習性を理解することは、野鳥観察や自然保護の観点から重要な意味を持っています。

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