バライロムクドリ

バライロムクドリについて

バライロムクドリ（薔薇色椋鳥、学名: Sturnus roseus）は、スズメ目ムクドリ科に属する鳥です。この鳥は、その外見に由来して「薔薇色」の名が付けられています。また、モモイロハッカという別名でも知られています。

形態

バライロムクドリは全長が19から22センチメートルで、雌雄の外見はほぼ同じです。成鳥の夏羽は、頭から胸、翼および尾、下尾筒にかけて黒色をしています。特に頭部には青紫の美しい光沢があり、羽の一部には緑色の光沢が見られることが特徴です。この鳥の特徴的な点は、後頭部に長い羽毛があり、冠羽のように見えることです。腹や背中から腰にかけては桃色で、これが「薔薇色」と呼ばれる理由です。嘴は桃色で、基部が黒く、足も桃色がかっています。冬の羽は夏に比べて全体的に色が鈍くなり、冠羽も短くなります。幼鳥は冠羽がなく、全体が淡褐色をしており、腹や腰は特に淡い色合いです。この時期の嘴は橙褐色で、翼や尾は黒褐色です。若い個体では、頭部に黒い羽毛が見られるようになります。

分布

バライロムクドリは、中国の西部や中央アジアの乾燥した地域からヨーロッパ中南部にかけて広く分布しています。越冬地としてはインドや西アジアのあたりが知られています。繁殖の際には、ウクライナやトルコ、イラン、アフガニスタン、カザフスタン、そして中国の西北部まで広がる地域に生息しています。日本には稀に迷鳥として現れ、観察されることがあります。具体的には、石川県の舳倉島、高知県の高知市、鹿児島県の出水市や奄美大島、沖縄本島、石垣島、宮古島、与那国島、東京都江戸川区などで見かけられています。

生態

バライロムクドリは、群れで繁殖し、また他のムクドリの仲間と共に大規模な越冬群を形成します。主に昆虫を食べることが好みのようです。また、日本で観察される場合、他のムクドリ類（ムクドリやホシムクドリなど）と共に生活していることが多いです。

鳴き声

バライロムクドリの鳴き声は、様々な地鳴きが特徴で、「キュルリ」、「チッ」、「パーッ」といった音を出します。これらの音声は、行動やコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしています。

参考文献

• - 高野伸二著『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』日本野鳥の会 2007年発行
• - 奄美野鳥の会編『奄美の野鳥図鑑』文一総合出版 2009年発行

関連項目

• - 日本の野鳥一覧
• - コムクドリ
• - カラムクドリ

このように、バライロムクドリはその美しい外見だけでなく、興味深い生態を持つことで、観察する価値がある鳥です。

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