カランセ奥尻

カランセ奥尻について

カランセ奥尻（カランセおくしり）は、オクシリアイランドフェリーが運航するフェリーです。この船は、奥尻航路における新設船として注目されており、内海造船の瀬戸田工場で建造されました。2017年には進水式を迎え、同年の4月に竣工。その後、北海道を経て、4月23日に江差港に初めて入港しました。これを記念して、江差港でのイベントや、後ほどせたな港と奥尻港でも内覧会が行われた後、正式に5月1日から就航を開始しました。

この船は、前任のアヴローラおくしり以来18年ぶりの新造船であるため、地元の人々にとって大変注目される存在です。船名は、奥尻島の固有種であるオクシリエビネ（Calanthe）の学名に由来し、船体の塗装は濃藍を基調にしつつ、オクシリエビネをイメージさせる紫色のラインが施されています。2024年10月1日には、ハートランドフェリーの持株会社制移行に伴い、オクシリアイランドフェリーの子会社として運営が開始されます。

航路情報

カランセ奥尻は、江差港から奥尻港（奥尻島）への航路を運航しており、2017年5月1日から正式に就航しています。普段はこの船が単独で運航されますが、ドック整備の期間中には代船が用意されることもあります。さらに、過去に運航されていた瀬棚港との航路は、季節運航として再開される予定ですが、現在は休止しています。

設計と機能

カランセ奥尻は、既存のサイプリア宗谷とほぼ同等の総トン数を有するものの、全長がやや短く、車両搭載数も少なく設定されています。しかし、アヴローラおくしりと比較して総トン数は1.6倍で、フィンスタビライザーの導入が行われたことにより、快適性と信頼性が向上しています。このフェリーは、バリアフリー設計を取り入れ、2等優先席には車椅子スペースを設け、多目的トイレやエレベーターも完備されています。

船内の設備

北海道新幹線の開業によって増加した観光客に対応するため、カランセ奥尻では座席柄を見直し、様々な設備が追加されました。船の最前方に配置された展望席「アイランドビューシート」、2等指定席の「カジュアルシート」、そして従来の2等客室は「エコノミー」と呼ばれます。エコノミー客室には、レディースルームやファミリールームが設置されています。また、ペット用のケージを備えたペットルームや、多目的シートのあるベビールーム、キッズルームが新設され、様々なニーズに応じた快適な移動を実現しています。

さらに、ドック整備では新たに着脱可能な自転車ラックが追加され、合計22台の自転車を収容できるようになりました。これにより、自転車利用者にとっても便利なサービスが提供されています。

船室構成

• - アイランドビューシート: 80名定員のフットレスト付きリクライニングシート
• - カジュアルシート: 98名定員のテーブル付きリクライニングシートの2等指定席
• - エコノミー: 254名定員の2等客室で、レディースルームとファミリールームの専用区画を用意
• - 2等優先席: 20名定員の車椅子スペース（6台）付きリクライニングシート
• - プレミアムオーシャン: 4名定員の洋室で、リクライニングシート
• - プレミアムブルー: 4名定員の和室

その他の設備

• - ペットルーム
• - キッズルーム
• - ベビールーム
• - メイク＆更衣室（レディースルームに隣接）

今回の新造船カランセ奥尻は、地域の人々や観光客にとって、快適で魅力的な海の旅を提供することを目指しています。

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