カリストゥス2世 (ローマ教皇)

カリストゥス2世（Callixtus II, 1065年/1068年? - 1124年12月13日）は、12世紀初頭にローマ教皇を務めた人物です（在位：1119年 - 1124年）。ブルゴーニュ伯家の出身で、元の名はギー・ド・ヴィエンヌ（Guy de Vienne）といいました。

生涯

生い立ち

1050年、ギーはキンギー城でブルゴーニュ伯ギヨーム1世の四男として誕生しました。彼の兄弟には、伯位を継いだルノー2世とエティエンヌ1世、そしてガリシア伯レーモン（カスティーリャ女王ウラカの夫で、国王アルフォンソ7世の父）がいます。また、姉にはサヴォイア伯ウンベルト2世の妃となったジゼル、妹にはブルゴーニュ公ウード1世の妃となったマオー（シビーユ）がいます。さらに、イタリア王アルドゥイーノとも親族関係にありました。姪（ジゼルの娘）のアデル・ド・サヴォワは、フランス王ルイ6世の妃となりました。

ヴィエンヌ大司教として

1088年、ギーはヴィエンヌ大司教に任命されました。1111年には、教皇パスカリス2世と神聖ローマ皇帝ハインリヒ5世から法王特使の任を受け、グレゴリウス改革で主張されたグレゴリウス7世の特権を継承しました。これらの特権は、1112年のラテラン教会会議における暴力反対活動に影響を与えました。

ローマ教皇として

ハインリヒ5世によって大司教職を解任された後、教皇ゲラシウス2世の後継を巡る対立の中で、カリストゥス2世はガエータへの亡命を余儀なくされました。その後、ハインリヒ5世との交渉により、ローマでの抗議者からの支持を撤回し、教皇と皇帝がランス近郊のムッソン城で会談することが合意されました。枢機卿ではなかったヴィエンヌ大司教ギー・ド・ブルゴーニュは、1119年2月2日にクリュニーで選出され、9人の枢機卿が選挙に参加しました。こうしてギーはローマ教皇に就任しました。同年10月には、ランスで協議会が開かれ、フランス王ルイ6世をはじめ、多くの貴族や司教、修道院長が出席しました。ハインリヒ5世はムッソンでの会談に到着しましたが、3万人以上の軍隊を率いており、ギーは軍事的な圧力を懸念し、ランスに留まりました。また、イングランド王ヘンリー1世とノルマンディー公ロベール2世の兄弟間の和解を試みましたが、失敗に終わりました。協議会では、聖職売買や聖職者の妾に関する懲戒規則が定められ、1119年10月30日には、皇帝と対立[[教皇]]グレゴリウス8世への破門を解くことが決定しました。グレゴリウス8世が皇帝軍とイタリアの同盟国の支援を受けていたため、ギーはストリの要塞に逃れ、ナポリ王国によって逮捕されました。その後、サレルノの刑務所に移送されましたが、後に釈放されました。皇帝の同盟国はその後、解散しました。

「ユダヤ人について」

1120年頃、ギーの教皇勅書「Sicut Judaeis（ユダヤ人について）」が発布され、ユダヤ人の扱いに関する教皇の公式な立場が明確にされました。この勅書は、第一次十字軍によってヨーロッパで虐殺された5千人以上のユダヤ人の事件を受けて出されたもので、破門を理由にしたユダヤ人の財産を奪う行為の禁止や、祝祭の自由を認めるなど、ユダヤ人を保護することを目的としていました。この勅書は、ユダヤ人が「合法的な自由を享受する」権利があるという、教皇グレゴリウス1世や後のアレクサンドル3世の立場にも影響を与えました。

ヴォルムス条約

ギーの勢力がイタリアで拡大する中、ギーはハインリヒ5世との間で叙任権問題を巡る交渉を行うことになりました。ハインリヒ5世は、ドイツにおける皇帝の権威低下を食い止めるため、事態の終結を望んでいました。ギーは3人の枢機卿からなる使節団をドイツに派遣しました。1121年10月、ヴュルツブルクで叙任闘争の和解交渉が始まり、ドイツは休戦を宣言し、教会における財産の自由な利用を認め、反乱を鎮めることに同意しました。これらの合意はギーにも伝えられ、1122年9月23日には、ホノリウス2世が助手として派遣され、ヴォルムス条約が締結されました。この条約によって、司教の選出における皇帝の影響力が維持されることになりました。

第1ラテラン公会議

ヴォルムス条約締結後、カリストゥス2世は1123年3月18日に第1ラテラン公会議を開催しました。この会議で、ヴォルムス条約が正式に承認され、聖職売買などの規律に関する法令が可決されました。

晩年

カリストゥス2世はその後、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の再建に尽力しました。1124年12月13日、亡くなりました。

出典

カリクストゥス2世 - Wikipedia

関連項目

カリクストゥス写本

外部リンク

* 『カリクスツス2世』 - コトバンク

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