カルロス・デ・ボルボン＝ドス・シシリアス

カルロス・マリア・デ・ボルボン＝ドス・シシリアス・イ・ボルボン＝パルマは、1938年1月16日にローザンヌで生まれました。スペイン王子（Infante de España）であり、カラブリア系ボルボーネ＝シチリア家の家長を務めました。また、カラブリア公およびカゼルタ伯の称号も有していました。イタリア語名はカルロ・マリア・ディ・ボルボーネ＝ドゥエ・シチリエです。

彼は、両シチリア王家家長の座を巡り、カストロ公家（ラニエーリ、フェルディナンド、カルロ）と長年争っていました。この争いは、両シチリア王国の歴史的な背景と、王位継承に関する複雑な事情が絡み合っており、ヨーロッパの王室関係者の間で注目を集めました。

カルロス・マリアは、スペイン王子アルフォンソとその妃アリシア（ボルボーネ＝パルマ家家長エリアの四女）の長男として誕生しました。1歳の時に家族と共にスペインへ移住し、スペインで成長しました。1948年には、バルセロナ伯フアン（カルロスの叔母マリア・デ・ラス・メルセデスの夫）によって選ばれ、フランシスコ・フランコの後継者として教育されることになったフアン・カルロス王子（後のスペイン国王フアン・カルロス1世）と共に育てられました。カルロス・マリアは、フアン・カルロスの母方の従弟にあたり、共にアルフォンソ12世の曾孫という関係でした。2人は誕生日が10日ほどしか違わないということもあり、幼少期から親密な関係を築きました。

1965年、カルロス・マリアはオルレアン家家長パリ伯アンリ（マリア・デ・ラス・メルセデスの従兄）の三女アンヌ（アナ）と結婚しました。夫妻の間には1男4女が生まれ、以下の通りです。

クリスティーナ（1966年 - ）：1994年にペドロ・ロペス＝ケサーダ・イ・フェルナンデス＝ウルティアと結婚
マリア（1967年 - ）：1996年にオーストリア大公ジメオン（ルドルフ大公の次男）と結婚
ペドロ（1968年 - ）：カラブリア公、2001年にソフィア・ランダルーセ・イ・メルガレホと結婚
イネス（1971年 - ）：2001年にナポリ貴族のライアーノ侯爵ミケーレ・カレッリ・パロンビと結婚
* ビクトリア（1976年 - ）：2003年にギリシャ人海運業者マルコス・ノミコスと結婚

1994年、カルロス・マリアはスペイン国王フアン・カルロス1世からスペイン王子の称号を授与されました。これは、彼のスペイン王室との繋がりと、長年の貢献を評価したものでした。しかし、1978年憲法が定める王位継承権者の範囲には含まれていません。

カルロス・マリアは、シウダー・レアルとトレドに不動産を所有し、レプソルやテレフォニカといった大企業の株主でもありました。また、サンティアゴ騎士団、カラトラバ騎士団、アルカンタラ騎士団、モンテザ騎士団といった歴史ある騎士団の王室委員長を務めていました。これらの騎士団は現在、スペイン王家に属する団体であり、カルロス・マリアは歴史と伝統を尊重し、これらの団体の活動を支える役割を果たしました。

彼は2015年10月5日に亡くなるまで、スペイン王室の一員として、またカラブリア系ボルボーネ＝シチリア家の家長として、その役割を果たし続けました。

カルロス・マリアの生涯は、ヨーロッパの王室史における複雑な関係と、歴史的な背景を理解する上で重要な事例です。彼の存在は、スペインとイタリアの王室の結びつきを示すものであり、その人生は多くの歴史家や研究者によって研究されています。

彼の功績を称え、The Royal House of Bourbon-Two Sicilies（英語） の公式サイトでは、彼の生涯と家族の歴史に関する情報が掲載されています。

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