カラトラバ騎士団

カラトラバ騎士団：スペイン初の戦闘騎士団、その歴史と変遷

カラトラバ騎士団は、12世紀にカスティーリャ王国で設立された、スペイン初の戦闘騎士団です。1164年9月26日にローマ教皇アレクサンデル3世によって認可されました。騎士団は、その設立から数世紀にわたり、イベリア半島の歴史において重要な役割を果たしました。

黎明期：シトー会傘下での設立

騎士団は、シトー会の傘下騎士団として設立され、カラトラバ・ラ・ヌエバに本拠地を構えました。「カラトラバ」という名称はアラビア語に由来します。当時、多くのシトー会派騎士団は騎士やその子息で構成されていましたが、カラトラバ騎士団は異なり、僧侶が騎士となる点が特徴でした。彼らは戦闘と祈りの両方に身を捧げ、イスラム教徒との戦いにおいて英雄的な活躍を見せました。

設立当初、騎士団はカスティーリャ王から領地を贈られるなど、その功績は高く評価されました。また、隣国のアラゴンからも要請を受け、1179年にはアルカニスを与えられました。しかし、これらの成功は新たな問題を引き起こします。カスティーリャとレオンの領土を巡る争いに巻き込まれた上、イベリア半島のイスラム勢力がアフリカのムワッヒド朝に応援を要請し、強力な侵攻が始まったのです。

1195年、アラルコスの戦いにおいて、騎士団は勇敢に戦いましたが大敗を喫し、カラトラバの防壁を手放すこととなりました。この敗北により、カスティーリャでは騎士団は没落したとみなされ、その噂を聞いたアラゴンのアルカニス騎士団がカラトラバを継承する事態となりました。アルカニス騎士団は実際に新しい騎士団長を任命しましたが、カラトラバの騎士団長はカスティーリャに留まり、自らの正当性を主張し続けました。最終的に、アルカニス騎士団長は「アラゴンの偉大なる戦士」という称号を得て、カラトラバの継承権を放棄することで決着しました。

レコンキスタでの活躍

カラトラバ騎士団は、歴代の王たちと共にレコンキスタ（国土回復運動）を戦い抜き、その名を轟かせました。特に、1212年のナバス・デ・トロサの戦いでは、カトリック連合軍の一員として参戦し、勝利に大きく貢献しました。

1474年、カスティーリャ王エンリケ4世の王位継承問題が発生すると、アラゴン王フェルナンド2世とポルトガル王アフォンソ5世が介入し、騎士団内部でも支持勢力が分かれました。当時の騎士団長ロドリーゴ・ヒロンはポルトガル側につき、部下のロペス・デ・パディージャはアラゴン側につきました。1479年のトロの戦いでアラゴン側が勝利し、ポルトガルは撤退しました。アラゴン王と和解したヒロンは、1482年のロハ包囲戦でグラナダ王国と戦いましたが、その後ロペス・デ・パディージャがヒロンの後を継いで騎士団長となりました。しかし、彼は1487年のグラナダでの戦いで戦死しました。

ロペス・デ・パディージャの死後、アラゴン王フェルナンドはローマ教皇インノケンティウス8世の教書に基づき、騎士団の管理者として新騎士団長を選出するための招集をかけ、候補者たちに服従を求めました。これにより、カラトラバ騎士団の政治的自治は終わりを迎え、1492年のグラナダ陥落とともに、ムーア人に対するレコンキスタも終結しました。

近現代

現代のスペイン君主は、「カラトラバ騎士団総長（グランドマスター）」の称号を保持しています。

歴代総長

(省略)

関連事項

カラトラバ騎士団総長一覧
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