カロビアン

カロビアン（Callovian）について

カロビアンは、約1億6610万年前から1億6350万年前の間に相当するジュラ紀の地質時代を指します。この時代は、主にイギリス南部のケラウェイズで標本が見つかり、その名称はラテン語である「カロビウム（Callovium）」に由来しています。

カロビアンという言葉には、「カローブ階」や「カロビアン階」という異なる名称が存在しますが、これらは地層に関連する用語です。「階」という用語は地層の単位であり、時代を表すものではません。このことから、階層名である「カローブ階」や「カロビアン階」と、時代名の「カローブ期」、「カロビアン期」はそれぞれ対の関係にあると言えます。詳細については、累代に関する情報を参照することをお勧めします。

古地理学的背景

カロビアン期のヨーロッパは、大小の島々が多数点在する多島海で構成されていました。これらの島の間には広範な大陸棚が存在し、浅海性の堆積物が分布していました。この時代の堆積物は、ロシアやベラルーシ、ドイツ、ポーランド、フランス、スペイン東部、さらにはイングランドの大部分に至る広範囲に見られます。

特に、オーストリアとドイツに広がる北部石灰アルプス地域では、カロビアン期間中にテチス海が縮小し、北西フェルゲンツの衝上運動により、遠洋側と大陸棚側に分化した堆積盆地が形成されました。この衝上運動により隆起した地域からは、三畳系の石灰岩がジュラ系の堆積盆地へ再移動し、角礫岩やオリストストローム、さらにはメランジュと呼ばれる多様な混在岩体が形成されるなど、地質活動が活発に行われました。

日本におけるカロビアン

日本においては、特に三重県の志摩半島で、築地層群に見られる泥岩がカロビアン階に含まれています。また、同半島に位置する今浦層群の泥岩は、中部バトニアン階から下部カロビアン階、さらに上部カロビアン階から中部オックスフォーディアン階、下部チトニアン階にかけての3つの層序に該当します。福井県九頭竜地域では貝皿層がバトニアン階からカロビアン階に当たります。

総じて、カロビアン期は地質の変動や海の広がりに関連した重要な時代であり、その堆積物や地層は、当時の環境や地形を解明する手がかりとなっています。地質学者にとって、この時代の研究は、地球の歴史を理解する上で欠かせない要素です。

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