カーク・ソーントン

カーク・ソーントン（Kirk Thornton）は、1956年5月13日にオレゴン州ポートランドで生まれた、アメリカ合衆国のベテラン声優および音響監督です。

彼のキャリアは、演劇の世界からスタートしました。オレゴン州立大学、オレゴン大学、ワシントン大学で学び、1979年から1981年にかけては権威あるオレゴン・シェイクスピア・フェスティバルに所属していました。ここで、後に同じく声優となるトム・ワイナー氏との出会いが、彼のその後の進路を決定づけます。ワイナー氏の紹介をきっかけに声優業へと足を踏み入れたソーントン氏は、以来、40年以上にわたり第一線で活躍を続けています。彼は、テレビラジオ芸能人連盟（SAG-AFTRA）や俳優組合（Actors' Equity Association）など、芸能関連の主要な労働組合の会員資格を有しています。

ソーントン氏の活動は多岐にわたりますが、特に日本のテレビアニメや劇場用アニメ、オリジナルビデオアニメーション（OVA）の英語吹き替えにおいて、その存在感を発揮しています。代表的な出演作としては、『デジモンアドベンチャー』シリーズのガブモンやヴァンデモン、『NARUTO -ナルト-』シリーズの干柿鬼鮫、『BLEACH』、『コードギアス 反逆のルルーシュ』シリーズの扇要、『サムライチャンプルー』の仁、『鬼滅の刃』の竈門炭十郎など、枚挙にいとまがありません。また、ゲーム分野でも多数のキャラクターを演じており、『真・三國無双』シリーズの夏侯惇や孟獲、『テイルズ オブ ジ アビス』のジェイド・カーティス、『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』のポチョムキンなどが知られています。

さらに、日本の特撮シリーズ『パワーレンジャー』や、実写映画の吹き替え、ADR（追加ダイアログ録音）ループグループ、ボイスオーバーなど、様々なメディアで声優として活動しています。活動初期や特定の作品では、ロナルド・アレン、ロン・アレン、トッド・クランプ、ドナルド・リー、ロバート・ロイド、ショーン・ロバーツ、スパーキー・ソーントンなど、多数の別名義を使用していたことでも知られています。

声優としてのみならず、ソーントン氏は制作の裏方としても重要な役割を果たしています。音響監督（ADRディレクターや音声演出）、台本（ADR台本、脚色）、キャスティングなど、多岐にわたるスタッフ業務に携わっており、数多くの作品の英語ローカライズに深く関与しています。

長年のキャリアを通じて、カーク・ソーントン氏はその多彩な声質と確かな演技力で、数え切れないほどのキャラクターに命を吹き込んできました。特に日本のアニメ文化が北米に広がる過程において、彼の貢献は非常に大きく、多くのアニメファンにとって馴染み深い声優の一人と言えるでしょう。

以下に、その膨大な出演・参加作品の一部をジャンル別に示します。

主な出演作品（抜粋）

テレビアニメ:
『デジモンアドベンチャー』（ガブモン、ヴァンデモン 他）
『NARUTO -ナルト-』（タヅナ、干柿鬼鮫、守鶴 他）
『サムライチャンプルー』（仁）
『コードギアス 反逆のルルーシュ』（扇要）
『BLEACH』（火無菊、宇柿 他）
『鬼滅の刃』（竈門炭十郎、手鬼）
劇場アニメ:
『ルパン三世 カリオストロの城|ルパン三世_カリオストロの城』（大司教、カリオストロ伯爵 ※別バージョン）
『ストリートファイターII MOVIE』（ガイル）
『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』（アナベル・ガトー）
『バイオハザード ディジェネレーション』（大統領）
『STAND BY ME ドラえもん 2』（しずかのパパ）
ゲーム:
『真・三國無双』シリーズ（夏侯惇、孟獲）
『ゼノサーガ』シリーズ（ヘルマン）
『テイルズ オブ ジ アビス』（ジェイド・カーティス）
『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』（ポチョムキン）
特撮:
『パワーレンジャー』シリーズ（様々な怪人の声）

主な参加作品（抜粋）

テレビアニメ:
『スクライド』（ADRディレクター、ADR台本）
『真月譚 月姫』（音声演出、ADR台本）
『NARUTO -ナルト-』（ADRディレクター）
『BLEACH』（共同ディレクター、脚色）
ゲーム:
『.hack//絶対包囲 Vol.4』（ADRディレクター）
『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』（音声演出、キャスティング）
* 『ONE PUNCH MAN A HERO NOBODY KNOWS』（音声演出）

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