カーバー

エジプト古王国のファラオ、カーバーについて

カーバー（Khaba）は古代エジプトの第3王朝に属するファラオで、紀元前2640年から紀元前2637年という短い間に治世を執ったと考えられています。彼は前王セケムケトの後継者であり、彼の父とされるDjeseretnebtiの息子であると言われています。この時期は歴史の中でも多くの謎に包まれた部分があり、カーバーに関する情報は断片的であるため、彼の治世や影響力についての具体的な理解は難しいです。

カーバーはギザ地区のザウィト・エル・アリヤンに位置する層状ピラミッドと関係があるとされており、このピラミッドは彼に捧げられたものと考えられています。ピラミッドの高さは約42メートルから45メートルと予想されていましたが、実際には20メートルまでしか完成しませんでした。この未完成のピラミッドには、カーバーを直接名指しする碑文は存在しませんが、ピラミッドの北側に位置するマスタバZ-500付近の遺構からはいくつかのアラバスター製の実績と関連性が確認されています。これにより、カーバーがこの地域で重要な役割を果たしていた可能性が示唆されています。

『トリノ王名表』では、カーバーは「消去」として記されており、これは彼の治世に何らかの問題が存在した可能性や、記録を作成した書記官が脆い古代の文献から情報を読み取れなかったことを示しているかもしれません。そのため、カーバーに関する多くの情報は不明瞭ですが、彼が第3王朝の最後のファラオであり、フニと同一人物であるという意見も存在します。

カーバーの名前は、当時一般的に使用されていたカルトゥーシュに囲まれた形ではあまり見られず、セレクで囲まれることが多いです。名前は、「kha」の音を持つ日の出の象徴と、「ba」の音を持つクラハシコウの象徴を組み合わせて表現されています。この名前は「魂が現れる」という意味を持ち、彼の存在が重要なものであったことを示しています。

こうした点から、カーバーは古代エジプトの歴史に軽視できない存在であり、短命ながらも彼が残した遺構や文化的影響は今でも研究者の関心を引き続けています。

何世紀にもわたる古代エジプトの歴史の中で、カーバーの治世は謎に包まれた部分が多く、今後の発見によって新たな視点が提供されることに期待が寄せられています。彼の残した遺物や時代背景の解明は、古代エジプトの王朝における権力や信仰の変遷を理解する手助けとなるでしょう。

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