カール＝テオドール・ツー・グッテンベルク

カール＝テオドール・ツー・グッテンベルク：ドイツの政治家

カール＝テオドール・マリア・ニコラウス・ヨーハン・ヤーコプ・フィリップ・フランツ・ヨーゼフ・ジルヴェスター・ブール＝フライヘア・フォン・ウント・ツー・グッテンベルク（Karl-Theodor Maria Nikolaus Johann Jacob Philipp Franz Joseph Sylvester Buhl-Freiherr von und zu Guttenberg、1971年12月5日生まれ）は、ドイツの政治家であり、キリスト教社会同盟（CSU）に所属していました。

生い立ちと家族

グッテンベルクはバイエルン州ミュンヘンで生まれました。彼は、フランケン地方の貴族の家系である、フライヘア（男爵）の称号を持つ家柄の出身です。祖父のカール・テオドールは政治家で、クルト・ゲオルク・キージンガー内閣で首相府政務次官を務めました。父のエノッホは指揮者です。母親は伯爵家の出身でしたが、1977年に父親と離婚し、1985年にヨアヒム・フォン・リッベントロップの息子と再婚しました。

1991年にアビトゥーアに合格した後、兵役に従事し、予備役下士官になりました。大学では法学と政治学を学び、司法試験に合格。2007年には憲法に関する論文で法学博士号を取得しました。また、1994年から一族が経営する会社に参画し、経営責任者となりました。さらに、1996年から2002年まで、病院の監査役も務めました。2000年には、ビスマルク＝シェーンハウゼン伯爵家の娘（オットー・フォン・ビスマルクの玄孫）と結婚し、二人の娘をもうけています。

政治活動

グッテンベルクは、バイエルン州のユンゲ・ウニオン（キリスト教民主同盟=CDUの青年団体）に参加し、2008年まで同団体の地区代表を務めました。2002年からはクルムバッハ郡議会議員を務め、同じく2002年にドイツ連邦議会選挙で初当選してからは、クルムバッハ地区のCSU代表団に所属しました。2007年12月には、周囲の予測に反して、CSUオーバーフランケン地区の代表に選出され、CSU執行部入り。CSU外交委員会委員長、CDU/CSU議員団軍縮政策担当スポークスマン、ドイツ・イギリス友好議員連盟代表なども歴任しました。2008年11月からは、バイエルン州議会選挙後、CSU事務局長を務めました。

大臣職

2009年2月、ミヒャエル・グロース連邦経済相が突然辞任したことを受け、後任としてグッテンベルクは第1次メルケル内閣に入閣しました。当時37歳での経済相就任は、ドイツ連邦共和国史上最年少でした。オペル社の救済問題では、親会社であるゼネラルモーターズのあるアメリカ合衆国を訪問し、交渉にあたり注目を集めました。同年10月に成立した第2次メルケル内閣では、前任者の辞職を受けて国防相に転任。これもまた、ドイツ連邦共和国史上最年少での国防相就任となりました。

2009年9月27日に投開票されたドイツ連邦議会選挙では、68%もの票を獲得してトップ当選しました。これは、全議員の中でも最高水準であり、「得票王」とも呼ばれました。公共放送局のZDFが2009年10月末に実施した世論調査では、メルケル首相やペール・シュタインブリュック元財務相を抑え、「最も評価が高い政治家」に選ばれました。メルケルの有力な後継候補とも目されていましたが、2011年になって、2007年にバイロイト大学に提出した博士論文に、既存の論文などからの盗用疑惑が持ち上がりました。野党からは国防相の辞任を求める声が上がり、バイロイト大学からは博士号を剥奪され、3月1日には混乱の責任を取って辞任しました。

同時に、ドイツ連邦議会議員も辞職しました。国防相時代には、財政難を背景に徴兵制度の見直し（事実上の廃止）を推進しました。

退任後

博士論文盗用疑惑を受け、著作権侵害の容疑で、ホーフ地方検察局による捜査が行われました。グッテンベルク自身は、家族とともに7月にアメリカ合衆国コネチカット州に移住し、9月からはワシントンD.C.にあるシンクタンク・戦略国際問題研究所の無給職に招かれたと報道されています。

人物

きっちりと手入れされた髪型、笑顔、スマートな身のこなし、そして貴族という出自もあいまって、ドイツ国内でもファンが多くいました。幼い頃から6億ユーロ相当もの資産を運用していたとされています。

グッテンベルクは、その華麗な経歴とルックスから、ドイツ政界のスターとして注目を集めましたが、博士論文の盗用問題で失脚しました。しかし、彼の政治手腕や弁舌の才能は高く評価されており、今後の動向が注目されています。

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