ガガイモ科

ガガイモ科（Asclepiadaceae）は、双子葉植物に属する科であり、その多くは草本または低木で、つる性の性質を持つ植物です。特に熱帯や亜熱帯地域に多く分布していますが、温帯にも草本として見られます。その多様性は、約250属、2700種にも及ぶとされています。日本では、つる草としてよく知られるガガイモをはじめ、6属が自生しています。また、乾燥地に適応した多肉植物も存在し、サボテンのように葉が退化して柱状の茎だけを持つ種もあります。

葉は単葉で、対生するのが特徴です。花は両性であり、放射相称の形をしています。多くは総状または集散花序を形成し、花弁は筒状に合生して先端が5つに裂け、星形に見えることが多いです。香りに関しては、良い香りを放つものもあれば、ハエなどの昆虫に送粉を委ねるために悪臭を放つ種も存在します。雄しべは花筒の内側につくか、互いに融合して筒状になり、葯にはラン科植物に見られるような花粉塊が形成されます。この花粉塊は、昆虫によって塊のまま運ばれ、受粉を助けます。子房は上位に位置し、果実は袋果となります。種子には毛があり、風によって散布される仕組みを持っています。この毛を綿のように利用する地域もあります。

ガガイモ科は、キョウチクトウ科と近縁関係にあり、同様に乳液を含んでいることや、アルカロイドを含む種（有毒種を含む）が多いことでも知られています。

利用

ガガイモ科の植物は、観賞用としても栽培されており、サクララン、トウワタ、多肉植物などがその例です。また、ソメモノカズラからは藍色の染料が採取されます。さらに、ギムネマはインドで薬用として利用され、糖の吸収を抑制する効果があると言われています。

分類

ガガイモ科は、以下の3つの亜科に分類されていましたが、現在ではAPG分類体系において、キョウチクトウ科に統合されています。これは、これらの亜科がキョウチクトウ科と共通の系統に属することが明らかになったためです。

Periplocoideae 亜科
Gymnema ホウライアオカズラ属（ギムネマ属） - ホウライアオカズラ（ギムネマ）
Secamonoideae 亜科
Asclepiadoideae 亜科
Araujia チョウトリカズラ属
Asclepias トウワタ属 - トウワタ
Cynanchum イケマ属 - アマミイケマ、イケマ
Dischidia マメヅタカズラ属 - マメヅタカズラ
Gomphocarpus フウセントウワタ属 - フウセントウワタ
Hoya サクララン属 - サクララン
Marsdenia キジョラン属 - キジョラン、ソメモノカズラ
Metaplexis ガガイモ属 - ガガイモ、セロペギア サンダーソニー
Oxypetalum ルリトウワタ属 - ルリトウワタ
Stephanotis シタキソウ属 - シタキソウ、マダガスカルジャスミン
Tylophora オオカモメヅル属 - ケナシツルモウリンカ
Vincetoxicum カモメヅル属 - スズサイコ、フナバラソウ、ヒメイヨカズラ

ガガイモ科の植物は、その多様な形態と生態、そして人間との関わりを通して、植物学的に興味深い研究対象となっています。

外部リンク

* Asclepiadaceae in Watson, L., and Dallwitz, M.J. 1992 onwards. The families of flowering plants: descriptions, illustrations, identification, and information retrieval. Version: 29th July 2006.

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