ガラル・ヤファイ

ガラル・ヤファイ（Galal Yafai）は、1992年 12月11日生まれ、イギリスのバーミンガム出身のプロボクサーです。アラビア語では「جلال يافعي」と表記されます。彼の兄であるカリッド・ヤファイは元WBA世界スーパーフライ級王者であり、ガラルもまたその才能を受け継ぎ、ボクシング界で輝かしいキャリアを築いています。アマチュア時代にはオリンピックでの金メダル獲得という偉業を達成し、プロ転向後も無敗で世界暫定王座を獲得するなど、イギリスボクシング界の注目選手の一人です。

アマチュアキャリア

ガラル・ヤファイのボクシングキャリアはアマチュアからスタートしました。国際舞台での初め Major appearance は、2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックでした。ライトフライ級（49kg級）で出場した彼は、2回戦で惜しくも敗れ、メダル獲得は叶いませんでした。

しかし、彼は経験を積み、2017年にはウクライナのハルキウで開催されたヨーロッパ選手権に同階級で再び出場。決勝まで勝ち進み、見事銀メダルを獲得しました。これは彼の国際大会での実力を示す重要な成果となりました。

2019年には、ロシアのエカテリンブルクで行われた世界選手権にフライ級（52kg級）で挑戦しましたが、準々決勝で敗退し、メダルには手が届きませんでした。

彼のアマチュアキャリアの最大のハイライトは、2021年に開催された東京オリンピックでした。フライ級（52kg級）のイギリス代表として出場したヤファイは、圧倒的なパフォーマンスで勝ち上がり、決勝に進出。フィリピンのカルロ・パーラムとの激闘を、判定4-1で制し、見事に金メダルを獲得しました。この勝利は、イギリスにとってもボクシングにおける重要な成果となりました。

オリンピックでの功績が認められ、ガラル・ヤファイは2022年にMBE（大英帝国勲章メンバー）を受章しました。これは、スポーツにおける傑出した業績を称えるものです。

プロ転向後の活躍

輝かしいアマチュアキャリアを終えたガラル・ヤファイは、2022年にプロボクシングの世界へ転向しました。彼のプロデビュー戦は、2022年2月27日、ロンドンのO2アリーナで行われた大規模な興行の前座として組まれました。プロ初戦でありながら、カルロス・ヴァド・バティスタを相手にWBCインターナショナルフライ級王座決定戦に臨み、5回2分11秒TKO勝利という鮮烈なデビューを飾り、いきなりプロ初タイトルを獲得しました。

プロ転向後も快進撃を続け、無敗のままキャリアを重ねたヤファイは、遂に世界王座挑戦の機会を得ました。2024年11月30日、自身の地元であるバーミンガムのBPプラス・ライブを舞台に、WBC世界フライ級暫定王座決定戦が行われました。対戦相手は、元世界王者のサニー・エドワーズ。この注目の一戦で、ヤファイは試合を優位に進め、6回1分10秒TKOで勝利。プロ9戦目にしてWBC世界フライ級暫定王座を獲得しました。

暫定王座獲得後、ヤファイは次なるステップへと進んでいます。WBC世界フライ級暫定王座の指名挑戦者であるフランシスコ・ロドリゲス・ジュニアとの防衛戦に向けた入札が、2025年3月26日に行われました。ヤファイをプロモートするマッチルーム・スポーツが222,000ドル（日本円で約3400万円）を提示し、興行権を落札。これにより、ヤファイの暫定王座初防衛戦が具体化し、今後のスケジュールに組み込まれる見込みです。

戦績と獲得タイトル

プロボクシングでの戦績は、9戦9勝（7KO）無敗（2024年11月30日現在）です。

獲得した主要タイトルは以下の通りです。

アマチュアボクシング

東京オリンピックフライ級金メダル

プロボクシング

WBCインターナショナルフライ級王座
WBC世界フライ級暫定王座

オリンピック金メダリストという揺るぎない実績を引っ提げ、プロの世界でも瞬く間に世界暫定王者に駆け上がったガラル・ヤファイ。兄カリッドに続いて正規の世界王座獲得、さらには王座統一を目指す彼の今後のキャリアに、ボクシングファンからの熱い視線が注がれています。

関連項目

男子ボクサー一覧
オリンピックのボクシング競技・メダリスト一覧
世界ボクシング評議会(WBC)世界王者一覧
* ボクシング現王者一覧

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