ガルベストン (軽巡洋艦)

USS ガルベストン (CL-93/CLG-3) について

ガルベストンは、アメリカ海軍が運用したクリーブランド級軽巡洋艦の22番艦として誕生しました。その後、ミサイル巡洋艦へと改装され、ガルベストン級ミサイル巡洋艦のネームシップとなりました。艦名は、テキサス州の都市ガルベストンに由来します。

起工から就役まで

1943年にペンシルベニア州の[ウィリアム・クランプ・アンド・サンズ]]社で起工され、1945年4月22日に進水しました。しかし、1946年6月にはほぼ竣工に近い状態で建造が保留となり、船体は一旦大西洋予備役艦隊に保管されました。その後、1956年2月4日に[[軽巡洋艦]として艦種指定され、1957年5月23日には[ミサイル巡洋艦]へと艦種変更されました。1958年5月28日、J. B. コルウェル艦長の指揮下で正式に就役しました。

ミサイル巡洋艦としての活動

就役後、ガルベストンは1958年6月30日にフィラデルフィアを出港し、バージニア岬海域で公試を実施しました。その中で、タロスミサイルの発射試験が成功裏に行われました。タロスミサイルは、重量約1,400kg、40,000馬力のラムジェットエンジンを搭載し、超音速で最大射程105kmに達する高性能ミサイルで、高高度で敵機を撃破するために設計されました。通常弾頭と核弾頭の搭載が可能でした。

1959年には、西インド諸島海域での訓練や評価試験を経て、初の洋上タロスミサイル発射実験を成功させました。その後も、キューバ沖での訓練航海や空軍との合同演習などを行い、レーダーや通信機器のテストを行いました。1960年には、艦名の由来となったガルベストンを訪問し、市民からの歓迎を受けました。

タロスミサイルの試験と実戦配備

1961年、ガルベストンはタロスIVミサイルの性能評価試験のため、フロリダやプエルトリコ沖で試験を実施しました。同時発射した2発のミサイルを標的に命中させ、システムの有用性を証明しました。また、飛翔距離の記録を更新しました。その後、オーバーホールを経てタロスミサイルの火器管制システムが更新されました。

1962年には、太平洋艦隊に所属し、サンディエゴを拠点にタロスミサイルのテストを継続しました。標的となった旧式護衛駆逐艦の甲板をタロスミサイルが貫通する様子が確認されました。ガルベストンは西太平洋での活動を始め、日本、台湾、沖縄などを訪問しました。

ベトナム戦争での活躍

1965年には、南ベトナム沖での作戦に参加しました。艦砲射撃による支援を行い、友軍機の捜索や救助活動も行いました。タイランド湾からトンキン湾にかけての東南アジア海域を航行し、チュライやヴントゥオン半島での作戦を支援しました。

1968年には最後の極東遠征を行い、戦艦ニュージャージーと交代で砲撃任務を担当し、9日間の任務で計3,500発の砲弾を発射しました。

退役とその後

ガルベストンは1970年に退役し、サンディエゴの太平洋予備艦隊施設に係留されました。1975年にはスクラップとして売却され、その長い歴史に幕を閉じました。

映画『トップガン』との関連

1986年の映画『トップガン』では、主人公が着用するフライトジャケットの背中にあるエンブレムが、1963年～1964年に極東遠征に参加したガルベストンのものでした。このエンブレムは、当時ガルベストンに乗艦していた唯一のパイロット経験者、ハリー・J・ポストに由来するという説があります。

ガルベストンは、その長い艦歴の中で、冷戦時代からベトナム戦争に至るまで、様々な任務に従事しました。その活躍は、アメリカ海軍の歴史に深く刻まれています。

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