ガンバレットシリーズ

『ガンバレットシリーズ』概要

『ガンバレットシリーズ』は、かつてナムコとして知られ、現在はバンダイナムコエンターテインメントが手掛ける、ユニークなガンシューティングゲームのシリーズです。そのジャンルは「バラエティーガンシューティング」と銘打たれています。

シリーズの特色

このシリーズの最大の特色は、一般的なガンシューティングゲームのように単一のステージを進むのではなく、多種多様な短いミニゲームで構成されている点にあります。一人でじっくりと遊ぶことも可能ですが、二人で得点やタイムを競い合う対戦プレイに重点が置かれており、パーティーゲームのような感覚で気軽に楽しめることを強みとしています。このような形式のゲームは当時としては類を見ないものでした。

また、標的に人間が登場せず、流血や死を想起させる表現が一切排除されていることも特徴です。この配慮により、アーケードゲームに対する規制が厳しかった時期のドイツにおいて、ゲームセンターに設置が許された数少ない、あるいは唯一のガンシューティングゲームとして稼働したという事例もあります。

ゲーム中には、丸顔の「Dr.ドン」と面長の「Dr.ダン」という、探検家風のユーモラスな二人のキャラクターが登場します。彼らはシリーズの顔とも言えるイメージキャラクターとして、多くの作品に登場しています。

ゲームの進め方

ゲームを開始する際には、「練習」「初級」「上級」「激ムズ」の四段階から難易度となるコースを選択します。「練習」コースは四つのミニゲームで構成されていますが、それ以外のコースは十六のミニゲームに挑戦することになります。

コースを選ぶと、そのコースに応じたミニゲームがランダムに四つ提示され、プレイヤーはその中から自由に一つを選んで挑戦します。選んだミニゲームの結果（成功または失敗）が出ると、再び新たなミニゲームが候補として補充されます。ただし、「初級」と「上級」コースでは、難易度が一つ上の「激ムズ」に設定されたミニゲームが必ず含まれており、これらは選択を後回しにすることはできても、避けることはできません。

ミニゲームの内容は非常にバラエティー豊かです。例えば、「画面上の全ての標的を撃ち抜く」「登場するキャラクター「オヤジ」を守り抜く」「一発の弾で特定の物を破壊する」「制限された弾数内でノルマを達成する」「犯人を特定して撃つ」「自分の担当カラーの的だけを狙う」「連射で破壊可能な標的を壊す」など、様々なルールやシチュエーションが用意されています。

各ミニゲームにはクリアするためのノルマが設定されています。このノルマはミニゲームの種類ごとに異なり、さらに選択したコースの難易度によっても変化します。制限時間や使用できる弾数も、時間に余裕があるものから、わずかな猶予もないシビアなもの、弾数無制限から一発の無駄撃ちも許されないものまで、多岐にわたります。

ノルマを達成できなかった場合、プレイヤーのハート（ライフ）が一つ減少します。ハートが全て無くなると、ゲームオーバーとなります。二人対戦プレイの場合は、最終的な勝敗はミニゲームのノルマ達成状況、クリアにかかった時間、そして命中率などによって総合的に判定されます。

誤って撃ってはいけないものを撃ってしまった場合も、同様にハートが減少します。撃ってはいけない対象としては、爆弾や無関係の民間人、対戦相手の色の的（自分とは違う色の的）、破壊してはいけない障害物などが設定されています（ミニゲームによっては個別に指定されることもあります）。誤射一回につき、ハートが一つ減るペナルティとなります。

「練習」コースを除く全てのコースでは、ミニゲームを半分ほどクリアした時点でボーナスゲームが出現します。ここでは画面に現れる四つの宝箱の中から一つを撃つことで、成功すればハートが回復したり、得点が加算されたりといった特典が得られます。宝箱の中身は「ハート（ライフ回復）」、「コイン（得点加算）」、「ハート&コイン（ライフ回復と得点加算）」、そして何も起こらない「スカ」の四種類があります。

定められた数のミニゲームを全てクリアすると、いよいよ最終ステージへと進みます。この最終ステージをクリアするとエンディングとなり、プレイ内容に応じた評価が表示されます。「上級」および「激ムズ」コースをクリアした際には、作品によっては特典としてスタッフロールが流れることもあります。

主なシリーズ作品

ガンバレット（1994年 AC/PS）：シリーズの原点。アーケード版は全50ステージ。後のシリーズに継承される、ブローバック機構付きのガンコントローラーや高精度の着弾検出を初めて採用しました。PlayStation版はアーケード版の完全移植に加え、家庭用オリジナルのアレンジモードや新規ステージが追加され、全74ステージとなりました。
ガンバァール（1998年 PS/AC）：PlayStation版が先行して発売され、後にアーケード版が逆移植されました。前作の人気要素を引き継ぎつつ、新たなステージも追加されています（一部ステージはアーケード版専用）。ナムコが開発したアーケード基板SYSTEM11を使用した最後のタイトルとしても知られています。
ガンバレットフィーバー（1999年 メダルゲーム）：シリーズで唯一のメダルゲーム。シリーズの特徴であるミニゲームの要素を、メダルを投入してチャッカーを狙うゲーム性に取り入れています。
ガンバリィーナ（2000年 AC/PS）：アーケード版とPlayStation版がほぼ同時にリリースされました。過去のシリーズや他のガンシューティングゲームの筐体からのバージョンアップにも対応。二人プレイ時には、ゲーム終了後に相性診断の結果が表示されるユニークな要素も加わりました。
ガンバリコレクション プラス タイムクライシス（2002年 PS2）：PlayStation版の『ガンバレット』、『ガンバァール』、『ガンバリィーナ』、そして『タイムクライシス』の計4タイトルをPlayStation 2向けに移植し、ガンコン2に対応させた作品。新規のエクストラステージや、過去の関連資料を閲覧できるモードなどが追加されています。
右脳の達人 ガンバれっトレーナー（2006年 DS）：ニンテンドーDS向けに発売された「右脳の達人」シリーズの一作で、ジャンルは「右脳シューティング」。タッチペン操作が基本ですが、『ガンバレット』シリーズ伝統の「アーケード」モードも収録されています。
ガンバレットアドベンチャーズ（2015年 iOS/Android）：スマートフォン向けアプリとして配信されました。基本プレイ無料のアイテム課金制。250以上のミニゲームと100以上のステージを収録していましたが、現在は配信を終了しています。
ガンバレットX（2016年 AC）：アーケード向けとしては約16年ぶりとなるシリーズ最新作。従来のゲーム性に加え、新たに低年齢層向けの「あんしんモード」を搭載しました。「あんしんモード」では、ライフがキャンディーとなり失敗しても減らず、トリガー長押しで連射、当たり判定が広がるなど、より遊びやすい調整が施されています。

関連作品

本シリーズ以外にも、ナムコは『タイムクライシスシリーズ』や『オーバキューン』といったガンシューティングゲームを開発・販売しています。

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