ガーズィー・ウッディーン・ハーン (フィールーズ・ジャング3世)

ガーズィー・ウッディーン・ハーンの生涯

ガーズィー・ウッディーン・ハーンは1736年2月1日に北インドのムガル帝国で生まれ、政治家および武将として名を馳せました。彼は、父ガーズィー・ウッディーン・ハーン（フィールーズ・ジャング2世）の影響を受け、同じく武将であった祖父カマルッディーン・ハーンの遺伝を受け継いでいました。1752年に彼は軍務大臣に任命され、それから彼の政治的な冒険の幕が開きます。

政治と権力の掌握

1752年当時、ムガル帝国の宮廷はイラン系貴族であるサフダル・ジャングを中心とした勢力と、トルコ系のガーズィー・ウッディーン・ハーンを中心とする勢力に二分されていました。ガーズィーは1753年にサフダル・ジャングとの抗争に勝利し、権力を掌握していきました。彼は1754年には新たな皇帝アーラムギール2世を擁立し、宰相の地位を獲得しました。

しかし、帝国の実権を掌握したものの、彼の政権は順風満帆とはいきませんでした。マラーターの勢力に対して報酬を支払えず、彼のトルコ系部隊も給料未払いの反乱を起こす惨状に陥ります。反乱者たちは彼を公開の場で辱め、彼は多くの問題を抱えた状況に直面しました。また、ローヒラー族のナジーブ・ハーンが台頭し、彼の権力基盤を脅かします。

アフガニスタンとの対立

1756年、ガーズィー・ウッディーン・ハーンはローヒラー族からラホールを奪還し、状況の改善を試みますが、この行動はアフガンの王アフマド・シャー・ドゥッラーニーを刺激することになりました。その結果、1757年1月、アフマド・シャー・ドゥッラーニーがデリーを占拠し、悲惨な略奪が行われる事態となります。

同年には、マラーター勢力がデリーを奪還するために動き出しました。ガーズィー・ウッディーン・ハーンは彼らと手を組むものの、状況の変化によって彼の地位は揺らぎます。彼はアーラムギール2世を脅かすアフガンの威力を警戒するあまり、1759年には彼を殺害し、自らの傀儡として新たな皇帝を擁立しますが、それでも状況は厳しさを増します。

失脚とその後

ガーズィー・ウッディーン・ハーンの政権は1761年の第三次パーニーパトの戦いでの敗北以降、さらに不安定になります。彼の権力は次第にナジーブ・ハーンやマラーターに奪われ、最終的にはメッカへ巡礼せざるを得ない状況に追い込まれました。1800年8月31日、彼はカールピーにて生涯を閉じました。

まとめ

ガーズィー・ウッディーン・ハーンは、混乱と動乱の時代において、武将として武勇を立て、また宰相としての権勢を握ったものの、短命の政治家であったと言えます。その生涯は、時代の変化や権力闘争の厳しさを色濃く反映しています。

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