キアヌ・ケレル＝サイムス

キアヌ・ケレル=サイムス

キアヌ・ケレル=サイムス（Kianu Kereru-Symes）は、1999年2月28日にニュージーランドで生まれたラグビーユニオン選手です。主にフッカーとしてプレーし、そのキャリアを通じてニュージーランド国内の様々なレベルに加え、スーパーラグビー、北米のメジャーリーグラグビー（MLR）、そして日本のジャパンラグビーリーグワンといった国際的な舞台でも経験を積んできました。

幼少期と育成年代

彼はニュージーランド北島のホークス・ベイ地方にあるマヒアで生まれ育ちました。ラグビー選手としてのキャリアはプロップとして始まりましたが、高校卒業後にはフッカーへとポジションを変更しました。ケレル=サイムスの家族もラグビーと深く関わっており、彼の5歳年上の異母兄であるトム・サイムズもまたラグビーユニオン選手として、ホークス・ベイのチームで43試合に出場した実績を持っています。

学生時代は、ラグビー強豪校として知られるヘイスティングス・ボーイズ高校で学びました。ここでは、同校の第1軍チームにおいてキャプテンを務めるなど、若くしてリーダーシップを発揮しました。育成年代を通じて、彼は地元のホークス・ベイのU13、U14、U16、U19といった各カテゴリーでプレー経験を積み重ね、フッカーとしてのスキルを磨いていきました。

ニュージーランド国内でのステップアップ

ニュージーランドの年代別代表候補としても才能が認められ、2016年と2017年には、北島南部の9つの協会から選抜されるハリケーンズU18チームのスコッドに名を連ねました。さらに2019年にはハリケーンズU20チームにも選出されています。

国内プロヴィンシャル大会であるマイター10カップ（現在のNPC、ナショナル・プロヴィンシャル・チャンピオンシップ）では、2018年9月8日に所属チームのホークス・ベイでシニアキャリアの第一歩を踏み出しました。この2018年シーズンは彼にとって飛躍の年となり、チームの年間最優秀選手賞と新人選手賞を同時に受賞するという輝かしい成果を挙げました。

国際舞台においては、2019年にU20ニュージーランド代表のキャプテンという重責を担いました。リーダーとしてチームを牽引し、オセアニアラグビーU20チャンピオンシップやワールドラグビーU20チャンピオンシップといった主要な国際大会に出場し、世界トップレベルの選手たちとの対戦経験を得ました。

スーパーラグビーと海外挑戦

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が広がる中で、2020年後半にはニュージーランド北島北部の3つの協会による選抜チーム、ブルーズAでプレーする機会がありました。しかし、この期間には残念ながらスーパーラグビーでの公式戦出場機会は訪れませんでした。

それでも、彼はスーパーラグビーへの道を切り開きました。2022年4月12日、ハリケーンズの一員としてモアナ・パシフィカ戦に先発出場し、待望のスーパーラグビーデビューを果たしました。この記念すべきデビュー戦では、見事トライを記録するなど、そのポテンシャルを示しました。その後もハリケーンズでのプレーを続け、2024年にはチームのシーズン開幕戦に先発メンバーとして出場しています。

ニュージーランド国外にも活躍の場を求め、2023年1月9日には、アメリカ合衆国マサチューセッツ州に本拠地を置くメジャーリーグラグビー（MLR）のニューイングランド・フリージャックスへの加入を発表しました。この移籍は成功を収め、同年、チームはMLRで初のリーグ優勝を飾る快挙を成し遂げました。

日本でのキャリア

2024年11月8日、キアヌ・ケレル=サイムスは新たな挑戦の場として、日本のジャパンラグビーリーグワンに所属する浦安D-Rocksへの移籍が発表されました。日本での公式戦デビューは2025年2月1日に行われたJAPAN RUGBY LEAGUE ONE第6節交流戦の埼玉ワイルドナイツ戦で、この試合に途中出場しました。その後、2025年3月29日までリーグワンで合計4試合に出場しましたが、同年5月には浦安D-Rocksを退団することが発表され、日本でのプレー期間は短いものとなりました。

育成年代からU20ニュージーランド代表でのキャプテン経験、そしてスーパーラグビー、北米MLRでの優勝、さらには日本でのプレーと、キアヌ・ケレル=サイムスは多様な環境で経験を積み重ねてきた国際的なキャリアを持つ選手です。

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