キジョージャンボ

キジョージャンボ：地方競馬を駆け抜けたサラブレッドキラー

キジョージャンボは、日本の地方競馬で活躍したアングロアラブ系の競走馬です。2002年11月、名古屋競馬場でデビュー。当初は勝利から遠ざかりましたが、2003年3月に初勝利を挙げると、その後はめきめきと頭角を現し始めます。

2003年には、重賞レースにも挑戦。アラブダービーや楠賞兵庫アラブ優駿などに出走しますが、優勝には届きませんでしたが、着実に経験を積んでいきます。名古屋競馬場に戻ってからは連勝を重ね、9月にはA7組戦でレコード勝ちを収めます。そして、帝冠賞で念願の重賞初制覇を達成しました。この勝利を足がかりに、キジョージャンボはその後も連勝街道を突き進み、12月にはシルバー争覇、翌2004年1月には名古屋杯と重賞を連勝しました。3月にはアラブスプリング賞で12連勝を達成し、勢いは止まるところを知りませんでした。しかし、笠松競馬場で行われたアラブチャンピオン賞でツルギベンサーに敗れ、連勝はストップ。それでも、5月の名古屋杯を制覇するなど、勝利を重ねていきます。

2004年からは、サラブレッド系のレースにも挑戦。全日本タマツバキ記念アラブ大賞典やセイユウ記念アラブグランプリではスイグンに敗れ3着となりましたが、12月のゴールド争覇では、サラブレッド相手に堂々の優勝を果たしました。これは、キジョージャンボのサラブレッドに対する強さを証明する大きな成果となりました。

2005年も活躍を続け、梅見月杯とマイル争覇では2着という好成績を残しました。3月にはアクアマリンオープンでサラブレッドを相手に勝利し、その実力を改めて示しました。

2006年は、元日の名古屋記念で7着と出遅れましたが、続くガーネットオープンで3着に入ると、つばき特別を制覇しました。そして迎えた梅見月杯では、7番人気という下馬評を覆し、逃げたヨシノイチバンボシを捕らえ、エンシェントの追撃を振り切って優勝。サラブレッド相手の重賞を2勝目として獲得しました。この勝利は、キジョージャンボの総合力の高さを示すものとなりました。

梅見月杯は名古屋大賞典のトライアルレースでもありましたが、当時、1着馬に系種関係なく交流重賞への優先出走権が与えられるようになったのは4月以降のことでした。そのため、東海桜花賞への登録を回避し、5月に行われた名古屋競馬最後のアラブ系重賞競走である名古屋杯で優勝。名古屋杯3勝目を飾りました。その後もゴールド争覇で3着、東海菊花賞で4着と活躍を続け、12月のターコイズ特別ではモナクカバキチやマルカセンリョウらを相手に勝利しました。

2006年の成績は13戦5勝。うち4勝はサラブレッドとの対戦での勝利で、その活躍が認められ、2006年度NARグランプリ アラブ最優秀馬に選出されました。これは、NARグランプリのアラブ最優秀馬部門が3年連続「該当馬なし」で推移したのち、アラブ系単独競走が姿を消し、部門も消滅したため、最後の受賞となりました。

2007年、名古屋記念とマイル争覇に出走した後、5月に引退を発表。5月24日には名古屋競馬場で盛大な引退式が行われました。引退後は乗馬として第二の人生を歩み始めました。キジョージャンボの活躍は、地方競馬の歴史に大きな足跡を残しました。その類まれな才能と、数々の勝利は、多くの競馬ファンに感動と興奮を与え続けました。

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