キャンディーズ10,000人カーニバル
『キャンディーズ10,000人カーニバル』は、アイドルグループ、キャンディーズが
1975年12月21日に発表した、グループにとって初めてのライブ
アルバムです。正式名称は『Candies' Carnival For 10,000 People』と表記されます。
本作には、
1975年10月19日に東京・
蔵前国技館にて開催された、大規模な単独コンサート「10,000人カーニバル」でのパフォーマンスが収録されています。この公演は、当時人気絶頂期を迎えつつあったキャンディーズと1万人のファンが一体となった、伝説的なイベントとして語り継がれています。
当時のLP帯には「その日、国技館に何が起こったか…………… ファン待望のライブ盤! 興奮と熱狂の一時間を完全ドキュメント」というコピーが踊っており、このライブ
アルバムが、その日の特別な雰囲気とエネルギーを余すところなく捉えようとする意図を持って制作されたことがうかがえます。
ライブの演奏は、MMP(ミュージック・メイツ・プレイヤーズ)と呼ばれるバンドが担当しました。参加ミュージシャンは以下の通りです。
渡辺茂樹(キーボード)
西村コージ(ギター)
川内章一(ドラムス)
新田一郎(トランペット)
兼崎順一(トランペット)
片山鉱二(サックス)
菅原由紀(パーカッション)
また、収録曲全ての編曲は、キーボード奏者である
渡辺茂樹が手がけています。
本
アルバムに収録されている楽曲は以下の通りです。キャンディーズのオリジナルヒット曲に加え、洋楽カバーも含まれています。
1.
あなたに夢中
作詞:
山上路夫、作曲:
森田公一
2.
危い土曜日
作詞:
安井かずみ、作曲:
森田公一
3.
内気なあいつ
作詞:
千家和也、作曲:
穂口雄右
4.
バイ・バイ・センチメンタル
作詞:
竜真知子、作曲:
穂口雄右
5.
片想いの午後
作詞:
竜真知子、作曲:
穂口雄右
6.
悲しきためいき
作詞:
山上路夫、作曲:
宮川泰
7.
その気にさせないで
作詞:
千家和也、作曲:
穂口雄右
8.
年下の男の子
作詞:
千家和也、作曲:穂口雄介
9.
プラウド・メアリー -PROUD MARY-
作詞・作曲:John C. Fogerty、訳詞:
竜真知子
オリジナル歌唱:Creedence Clearwater Revival
10.
アイ・ビリーブ・イン・ミュージック -I BELIEVE IN MUSIC-
作詞・作曲:Mac Davis、訳詞:
沢田研二
* オリジナル歌唱:Mac Davis
これらの楽曲は、ライブならではのアレンジやキャンディーズの熱のこもったボーカル、そして観客の歓声などが一体となり、スタジオ録音盤とは異なる魅力を放っています。特に、カバー曲では、オリジナルの雰囲気を引き継ぎつつ、キャンディーズらしいフレッシュな解釈が加えられています。
本作のCD化に関しては、
アルバム全体の
CD-DA化(いわゆる
CD選書盤)に先行する形で、1997年
11月21日にリリースされたベスト
アルバム『
GOLDEN J-POP/THE BEST キャンディーズ|GOLDEN J-POP_THE BEST キャンディーズ』に、「
あなたに夢中」、「悲しきためいき」、「
プラウド・メアリー」、「アイ・ビリーブ・イン・ミュージック」の4曲が、このライブ音源としては初めてCDフォーマットで収録されました。
『キャンディーズ10,000人カーニバル』は、キャンディーズのパワフルなライブパフォーマンスや、当時のアイドルコンサートの熱狂ぶりを今に伝える貴重な記録として、ファンの間で高く評価されている
アルバムです。
1975年の音楽シーンを振り返る上でも重要な作品の一つと言えるでしょう。