キャンピング・ワールド・スタジアム

フロリダ州オーランドに位置するキャンピング・ワールド・スタジアムは、多種多様なイベントに対応できる大規模な多目的スタジアムです。カレッジフットボールのビッグイベントであるシトラスボウルやチャンプススポーツボウル、そして地域のライバル対決であるフロリダ・クラシックなど、毎年恒例のスポーツイベントの中心地として知られています。また、パワフルなモンスタートラックの祭典、モンスタージャムも毎年ここで開催されています。かつては、UCFナイツが1979年から2006年までここを本拠地としていました。

スタジアムの規模

公称の収容人数は65,438名ですが、北側エンドゾーン付近に臨時席を設けることで、70,000名を超える観客を迎えることが可能です。これまでに何度か入場者数の記録が塗り替えられており、2005年のキャピタルワンボウルでは70,229名、2003年のフロリダ・クラシックでは73,358名を記録しました。現在の最大入場者記録は、2008年に開催されたレッスルマニア第24回大会で樹立された74,635名となっています。

多様なフィールド利用

スタジアムのフィールドは、サッカーの国際試合基準を満たす広さを有しており、過去には1994 FIFAワールドカップや1996年のアトランタオリンピックの会場としても使用されました。サッカーチームの本拠地としても利用された歴史があり、1997年にはUSL First Divisionのオーランド・サンドッグズが、2011年からはUSLプロフェッショナルリーグに所属していたオーランド・シティSCがここをホームとしていました（後にMLS昇格に伴い新スタジアムへ移転）。また、1998年にはMLSオールスターゲームが、2008年にはメキシコとコロンビアのプロサッカークラブによる対戦が行われるなど、サッカー関連の重要なイベントも開催されています。

歴史と発展の軌跡

このスタジアムは1936年に建設が始まり、当初の収容人数は8,900名でした。完成後、1947年1月1日にカレッジフットボールの試合が初めて開催されました。その後、施設の拡充が段階的に行われ、1952年には2,000席、1968年には5,000席とプレスボックスが増設されました。1974年から2年をかけた大規模な改修を経て、1976年には一気に収容人数が52,000名に増加。さらに1989年には3800万ドルを投じてアッパーデッキが追加され、現在の65,438席を有するスタジアムへと姿を変えました。1999年から2002年にかけても改修が行われ、エスカレーターや33メートルの大型ビデオスクリーンなどが設置され、利便性とエンターテイメント性が向上しました。スタジアムの名称は、「オーランド・スタジアム」や「フロリダ・シトラス・ボウル」など、時代とともに幾度か変更されており、現在の「キャンピング・ワールド・スタジアム」という名称になったのは2016年からです。

アメリカンフットボールの中心地として

このスタジアムは、カレッジフットボールだけでなく、プロアメリカンフットボールの歴史においても重要な役割を果たしてきました。ワールド・フットボール・リーグのフロリダ・ブレイザーズ（1974年）、USFLのオーランド・ラネゲーズ（1985年）、ワールドリーグ・オブ・アメリカンフットボールのオーランド・サンダー（1991-1992年）、XFLのオーランド・レイジ（2001年）といったプロチームがかつてここを本拠地としていました。比較的最近では、2023年にXFLのオーランド・ガーディアンズが本拠地を置きましたが、チームは1年で活動を終えました。また、NFLのプレシーズンゲームも開催されており、1997年にはタンパベイ・バッカニアーズ対ニューヨーク・ジェッツの試合が行われました。カレッジフットボールの中立地開催試合の会場としても利用され、フロリダ大学対ミシシッピ州立大学、そして特に知られるのは1994年11月12日のフロリダ州立大学対ノートルダム大学の対戦です。NFLのオールスターゲームであるプロボウルも、2017年から3年連続で開催され、2024年にも再び会場として使用される予定です。

音楽イベントの歴史

キャンピング・ワールド・スタジアムは、数々の著名アーティストのコンサート会場としても利用されてきました。ザ・フー、ジェネシス、ピンク・フロイド、ジョージ・マイケル、ポール・マッカートニー、ガンズ・アンド・ローゼズ、ビリー・ジョエル、エルトン・ジョン、ボブ・シーガー、フリートウッド・マック、イーグルスなど、歴史に名を刻む多くのミュージシャンがここでパフォーマンスを披露しています。特筆すべきは、1981年10月に実現したヴァン・ヘイレンとローリング・ストーンズという稀有な組み合わせの共演です。また、2003年にはSummer Sanitarium Tourの一環として、メタリカ、リンプ・ビズキット、リンキン・パーク、デフトーンズ、マッドヴェインといった人気バンドが集結するコンサートが開催されました。

レッスルマニア開催とその影響

プロレス界最大のイベントであるレッスルマニアの会場としても、このスタジアムは注目を集めました。2008年3月30日にはレッスルマニア第24回大会が開催され、天候に左右されない野外開催として計画されました。このイベントは2500万ドルの経済効果と約60,000人の観光客を見込むと発表され、チケットは発売からわずか60分で41,000枚以上が売れるという驚異的な売れ行きを示しました。最終的に、全米50州と21カ国から集まった74,635名が来場し、スタジアムの最大入場者記録を更新しました。この大会は当初の予想を大きく上回る5150万ドルの経済効果をもたらし、地元自治体には180万ドルの税収をもたらしました。この成功を受け、2016年3月には2017年4月2日に開催されたレッスルマニア第33回大会の会場としても再び選ばれています。

その他のイベントと特徴

スポーツやコンサート以外にも、毎年1月には迫力あるモンスタートラックのイベントであるモンスタージャムが開催されています。また、春にはAMAスーパークロスシリーズの一戦が行われるなど、モータースポーツの会場としても利用されています。エンターテイメントの分野では、1998年に公開されたアダム・サンドラー主演の映画「ウォーターボーイ」のロケ地としても使用されており、映画ファンにとっても馴染みのある場所となっています。

もう一度検索