キリバス・ドル

キリバス・ドルは、太平洋に浮かぶ島国キリバスの通貨です。この通貨の最大の特徴は、オーストラリア・ドルと1:1で固定された交換レートを持つという点です。そのため、キリバス国内ではオーストラリア・ドルも広く流通しており、日常の取引で両方の通貨が使用されています。キリバス・ドル自体は硬貨のみが発行されており、紙幣は存在しません。

歴史

キリバスの通貨の歴史は、同国が独立する以前に遡ります。1966年まではオーストラリア・ポンドが使用されていましたが、その後1979年まではオーストラリア・ドル硬貨が流通していました。さらに遡ると、1940年代にはギルバートおよびエリス諸島名義で発行された紙幣も存在し、当時はスターリング・ポンドと同等の価値で交換されていました。

第二次世界大戦中、日本軍がこの地域を占領した際には、大東亜戦争軍票（通称「と号券」）が使用されました。これは英領太平洋地域で広く流通していた軍票であり、戦後はオーストラリア・ポンドに戻されました。キリバス独立後も、オーストラリア・ドル紙幣は依然として広く使われていますが、1979年の独立を機に、キリバス独自の硬貨を発行する動きが始まりました。そして、独立10周年を記念して2ドル硬貨が追加発行されました。

硬貨

キリバスの硬貨は、1979年に1セント、2セント、5セント、10セント、20セント、50セント、1ドルの各硬貨が発行されました。その後、1989年には2ドル硬貨がニッケル真鍮製で追加されました。これらの硬貨は、キリバスの経済活動を支える重要な役割を担っています。また、これらの硬貨のデザインは、キリバスの文化や歴史を反映しており、コレクターの間でも人気があります。

その他

キリバス・ドルは、オーストラリア・ドルと密接な関係にあるため、オーストラリアの金融政策や経済状況に影響を受けやすいという特徴があります。また、キリバス国内では、オーストラリア・ドルとの併用が一般的であるため、キリバス・ドルの発行枚数や流通量は限られています。

キリバスの硬貨は、その美しいデザインと歴史的背景から、多くの人々にとって魅力的な収集品となっています。特に、独立10周年を記念して発行された2ドル硬貨は、その希少性から高い価値を持つとされています。

キリバス・ドルは、その独自の歴史とオーストラリア・ドルとの結びつきを通じて、キリバスという国の文化と経済を象徴する存在と言えるでしょう。

脚注

特になし

関連項目

ドル

外部リンク

キリバス

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