キングスプレート

キングスプレートステークス：カナダ競馬の歴史を刻む伝統の競走

キングスプレートステークスは、カナダ競馬界の象徴的な競走です。ウッドバイン競馬場で行われるこのレースは、カナダ産3歳馬限定の平地競走であり、北米最古のサラブレッド競走としてその歴史を誇ります。約2011メートルのポリトラックコースを駆け抜ける、カナダ競馬界のダービーと言えるでしょう。

カナダ競馬の頂点：三冠競走への第一歩

このレースは、カナダ三冠競走の初戦を飾ります。3歳馬にとって最高の栄誉である三冠を達成するには、キングスプレートステークス、続くプリンスオブウェールズステークス、そしてブリーダーズステークスをすべて制覇する必要があります。3冠競走すべてがカナダ産馬限定であるため、国際的な格付けはされていませんが、カナダ競馬における最高峰の称号と言えるでしょう。

王室とのゆかり：名称の変遷

「キングスプレート」という名称は、イギリス国王（カナダ国王）に由来します。国王が女性の場合は「クイーンズプレート」となります。実際、1902年から1951年までは男性君主の在位期間であったため「キングスプレート」として開催され、エリザベス2世の在位期間である1952年から2022年までは「クイーンズプレート」として開催されてきました。2023年からはチャールズ3世の即位により、再び「キングスプレート」の名称に戻っています。

1860年から続く歴史：変遷と逸話

現在のキングスプレートステークスの起源は、1860年にトロントターフクラブによって設立されたレースに遡ります。創設時の賞金はヴィクトリア女王から授与された50ギニーで、「ギャロップ・フォー・ザ・ギニー」という別名でも呼ばれていました。

当初は1マイルのヒート競走として開催され、決勝戦のヒート数も年々変更されました。その後、距離は徐々に短縮され、1957年からは現在の1マイル1/4（10ハロン）に落ち着きました。2007年にはウッドバイン競馬場のダートコースがポリトラックに改修されたため、現在の施行条件はオールウェザー10ハロンとなっています。

出走条件も変遷を遂げてきました。創設当初は未勝利馬限定でしたが、20世紀初頭まで新馬限定の場合もありました。その後、徐々に緩和され、現在の3歳限定戦となっています。

歴史の中には、様々なドラマがありました。1865年のレースでは、優勝馬と2位入線馬が失格となる異例事態が発生し、3位入線馬が繰り上がり優勝しました。また、1863年には審議の結果、優勝馬が失格となり、2位入線馬が優勝するという事例も記録されています。2020年には、新型コロナウイルスの影響により開催が延期され、そのレースで日本人騎手である福元大輔が初優勝という快挙を成し遂げました。

施行条件の変遷

カナダ競馬の伝統を受け継ぐ

キングスプレートステークスは、単なる競馬の競走ではありません。カナダ競馬の歴史と伝統、そして王室との繋がりを象徴する、特別なレースです。今後も、カナダ競馬界のトップを走り続けるでしょう。

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