福元大輔

福元大輔：カナダで掴んだ夢と挑戦

1997年生まれ、鹿児島県出身の福元大輔騎手は、カナダを舞台に活躍する日本人騎手です。幼少期から馬に囲まれた環境で育ち、小学2、3年生の頃にはディープインパクトのような名馬に憧れ、騎手を目指すようになりました。父親は佐賀競馬場の厩務員をしていたこともあり、自然と競馬の世界に惹かれていったのでしょう。

彼の騎手としてのキャリアは、ポニー競馬から始まります。中学校1年生だった2010年には、「ジョッキーベイビーズ」南九州予選で優勝し、本戦にも出場。その後もポニーレースや草競馬で経験を積み重ね、JRA競馬学校を受験するも、2度の不合格を経験します。それでも諦めずに、乗馬クラブで騎乗技術を磨きました。地方競馬からの誘いもあったものの、幼い頃から抱いていた「外国で騎乗したい」という夢を追い、カナダへの挑戦を決意します。

2015年、17歳の福元は観光ビザでカナダへ渡航。英語が話せないまま、コネクションを作るため、多くの関係者に「騎手になりたい」と訴えかけますが、なかなか門戸は開かれませんでした。帰国を決意しかけたその時、運命的な出会いがありました。リード・ベイカー厩舎のアシスタントとの出会いを通して、実習の機会を得たのです。

その後、英語学校に通いながら週末は厩舎で研修を行い、ウッドバイン競馬場の調教師であるロジャー・アトフィールドやマイク・デパウロらの元で、2年間調教への騎乗や厩舎作業に携わります。地道な努力が実り、2017年7月、念願のカナダ騎手免許を取得。免許取得からわずか6日後にはウッドバイン競馬場で初騎乗を果たしました。

初勝利は20歳の誕生日、10月13日。Raglan Roadに騎乗し、見事勝利を掴みます。1年目は139戦4勝という成績でしたが、2年目には400戦36勝と大きく飛躍。ソヴリン賞では優秀見習騎手賞を受賞するなど、着実に実力をつけました。

そして2020年、彼のキャリアに大きな転機が訪れます。新型コロナウイルスの影響で延期されたクイーンズプレートステークスで、隻眼の牡馬マイティーハートに騎乗し、見事優勝。日本人騎手として初めて「カナダダービージョッキー」の称号を手にしました。さらに、プリンスオブウェールズステークスでも勝利し、カナダ三冠レースで2冠を達成。その後、ブリーダーズステークスでは7着に敗れましたが、G3ドミニオンデイステークスで復帰勝利を収め、国際重賞初制覇を果たします。

2021年にはウッドバインマイルで国際GI競走初勝利、2022年にはサンタアニタパーク競馬場で米重賞初勝利と、活躍の場は世界へと広がっています。

福元騎手の目標は、「次の試合に勝つこと」、そしてウッドバイン競馬場を超え、アメリカのカリフォルニアやニューヨークの競馬場に挑戦すること、そして究極的には「世界で通用する騎手になること」です。彼の挑戦は、まだまだ続きます。

主要騎乗馬

サツマヨカニセ (ポニー競馬)
マイティーハート (クイーンズプレートステークス、プリンスオブウェールズステークス、ドミニオンデイステークス)
タウンクルーズ (ウッドバインマイル)

受賞歴

ソヴリン賞 優秀見習騎手賞 (2018年、2019年)

テレビ出演

* グリーンチャンネル「水曜馬スペ！」(シリーズ「僕はカナダで騎手になる」)

彼のひたむきな努力と、カナダでの成功物語は、多くの人の心を掴み、多くの若者に勇気を与えるでしょう。 福元大輔騎手の今後の活躍から目が離せません。

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