キンジ渋谷

キンジ渋谷（Robert "Kinji" Shibuya）

キンジ渋谷は、1921年5月16日にアメリカ合衆国ユタ州で生まれ、2010年5月3日に88歳で亡くなった日系アメリカ人のプロレスラーです。彼はカリフォルニア州ロサンゼルスで育ち、活動の拠点を西海岸に置きました。リング内外で数々の選手をサポートし「神風親分」として知られた彼の足跡は、プロレス界において重要な位置を占めています。

成長の背景

キンジは日系二世として、カリフォルニアのベルモント・ハイスクールでアメリカンフットボールに挑戦。フットボールでの活躍を通じて、レスリングの経験も活かしながら1952年にプロレスの世界に足を踏み入れました。彼はスポーツの多様な経験を底にして、瞬く間に地元で注目を浴びる存在となり、当時の日本のレスリング界で名を馳せていた力道山のトレーニング相手としても知られています。

プロレスキャリアの歩み

彼のデビュー戦の翌年には、カナダのカルガリーでルー・テーズのNWA世界ヘビー級選手権に挑戦。その後、アメリカに本格的に進出し、ミッドアトランティック地区ではミスター・モトやデューク・ケオムカとタッグを組み、日系ヒールとして存在感を放ちました。1957年にはミツ荒川とのタッグチームでNWA世界タッグ王座を獲得し、次世代のレスラーたちにも強い影響を与えました。

特に、彼の試合スタイルや影響力は観客に好評で、1960年代にはアメリカ全土を巡業し、サンフランシスコ地区でのUSヘビー級王座を通算3回獲得しました。6度にわたりアメリカス・タッグ王座を手に入れた彼は、地元のファンに愛されるヒーロー的存在でもありました。

日本とのつながり

1967年9月には、日本のプロレス界にも進出し、日本人選手との交流を深めていきました。彼はビル・ワットやリッキー・ロメロなどと戦い、強力なメンターとしての役割を果たしました。1968年にはマサ斎藤とコンビを結成し、長期政権を築くなど、プロレス界の歴史に名を刻んでいきます。

引退後の生活

彼は1977年に引退後、カリフォルニア州ヘイワードに移り住み、俳優としても活動を開始しました。映画やテレビ出演を通じて、彼のプロレスラーとしての経験を芝居に生かすことに挑戦しました。そして2010年、老衰によりこの世を去りましたが、彼のプロレスを通じた功績は今なお語り継がれています。

日本のルーツを持つ彼は、決して自らのバックグラウンドを忘れることはなく、葬儀も仏式で行われました。彼の生涯と業績は、他の多くのレスラーにとってもインスピレーションの源となっています。

得意技と獲得タイトル

キンジ渋谷はジュードー・チョップやクロー・ホールド、ニー・ドロップなどの多彩な技を駆使して、数々のタイトルを獲得しました。彼が獲得した主なタイトルは以下の通りです：

• - NWAアメリカス・ヘビー級王座：1回
• - AWA世界タッグ王座：3回（ミツ荒川とタッグ）
• - NWA世界タッグ王座：3回（マサ斎藤とタッグ）

キンジ渋谷の歴史を振り返ることで、彼がプロレス界に与えた影響の大きさを改めて実感できます。

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